平成元年生まれのオタク4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、オタク心を持つ読者の日頃の悩みをズバっと解決。応募フォームに集まったお悩みに、メンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで回答します。前回のお悩みはひとりは寂しい、誰かといるのも疲れる。どう乗り越える?
劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 vol.66
平成元年生まれのオタク4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、オタク心を持つ読者の日頃の悩みをズバっと解決。応募フォームに集まったお悩みに、メンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで回答します。前回のお悩みはひとりは寂しい、誰かといるのも疲れる。どう乗り越える?
幼少期に家庭内で心に傷を負い、成人後にそれを理由とした複雑性PTSDと診断され、服薬中の女です。
「誰かと一緒に生きてみたい」という気持ちになって30代後半にして遅まきながら婚活中なのですが、お相手にはそのことをなんと説明すべきか悩んでいます。あまり詳細に説明してもお相手がショックを受けるだろうし、でも黙っているのも変かな…とひとりで悩んでいます。
ちなみに妊活する場合、断薬してもいいと主治医には言われています。ぜひ相談にのっていただければ幸いです。
あけましておめでとうございます!
おめでとうございます〜!新年初回は、ひらりさ&かんがお届けします。
年末年始インフルエンザにかかって大変だったけど、だいぶ復調してきた。
そういえばそうだったね…!おせち食べるとか、新年らしいことはできた?
うん、すべりこみでなんとか。うちは毎年、日本と韓国のハイブリッドおせちなんだ。ジョン(韓国版ピカタ)やチャプチェが、栗きんとんやなますと一緒に食卓に並ぶ。
おお〜いいね!
まだまだインフル流行ってるので皆さんもどうぞお気をつけて…。ひらりささんはどんな風に過ごしてた?
私は大晦日まで働いて、昼間どうにか伊勢丹でおせち買ったの。元旦はずっと寝てて、その後友達と出掛けてお酒飲んでね。
ほう。
結局19時くらいに寝落ちしちゃって、1月2日の深夜2時に一人でおせち食べた!(笑)
都会で暮らす気ままな大人の正月の風景、とAIに指示したら出てきそうなプロットでいいね。
好きな時におせちを食べる自由……。さて、新年最初にお悩みを寄せてくださった方がいたので、今日はそちらにお答えします。
婚活中の方。お相手に、いつどこまで自己開示をすべきか?というご相談。自己開示といっても、服薬やそこに至った経緯の話など繊細な情報を含むので、どうすべきか…というところです。
まず、婚活を始められる人はえらい。私は20代で挫折してそれきりです。
お互い婚活のスキームに乗って出会ったお相手とは、やはり結婚前提だから、他の恋愛と比べて自己開示のステップが早いとか特徴があるもの?
うん、結婚に必要な条件の話とかするだろうから、先に話しておくことって色々あるかもね。ちはるさんは、もう特定の方と具体的なお話に進まれているのかな。
そうかもしれないね。
かんは結婚して長いけど、結婚の話が出てから初めてお相手と話したことも結構あった?
うん、あった!それこそ、実家に帰りたい頻度とか、自病のこととかは、普通に付き合っているだけだと言う機会がなかったりしたから…。
なるほど、それはそうだよね。それってお互いに「これについて知りたい」という項目を出し合って聞きあったの?
それが、向こうは特に話さなきゃいけないと思ってることもなかったようで、私が聞きたかったことを聞きつつ、こちらからも話した。例えば私が聞いたのは、もしもの時に東京を離れて地元に移住しなきゃいけない可能性とかあるのか?など。
たしかにね。
あとは覚悟を兼ねて、遺伝的な病気の傾向とかも軽く聞いたかも。
しっかりしてる!きっと、世間でもリスト化されてないテーマだよね。もしちはるさんが結婚相談所経由で婚活しているなら、まず仲人さんに頼るといいと思うんだよね。「このタイミングでこの話ってすべきでしょうか?」みたいな。でも文章からすると、アプリだったり、個人間で出会うサービスを使っているのかなあ。アプリ経由だとマッチするためのプロフィール開示はあるけど、そこからの価値観の探り合いはほんと難しそう。
なるほどなあ。最近マッチングアプリのテレビCMで訴求してる「価値観が合う人と出会える機能」みたいなのも、そういうところからニーズが来てるんだろうね。婚活アプリ経由の場合は、ステップとして「付き合う」までが長いの?
私はそこまでガチで「結婚を前提に」はマッチングアプリ使ったことないんだよね。でも、結婚ありきの方は、まず付き合うまでにそれなりに慎重になるんじゃないかな。
まあそりゃそうか。
服薬や人生の背景の話について、「結婚の現実的な話が出てからでもいい派」と、「交際前後に言っちゃった方がいい派」とどちらもあると思う。ちはるさんの場合、後でゴタゴタするよりは、早めに服薬の話はしてもいいんじゃないかな。ただ、背景事情に関しては、お相手から具体的に聞かれないなら言わなくてもいいのでは。
うん。私もそう思うし、さらにもしお相手から聞かれたとしても、自分の状態が整ってなければ「伝えられる勇気が出るまで待って」って言っても良いと思う。それで待ってくれないお相手ならそれまでかもしれないし。
そうだね。あとは、ちょうど良く受け止めてもらえるだけの関係が築けたかな、とご自身が思えるタイミングというのが来ると思うの。厳しい言い方かもしれないけど、今のところは、共有が必要なタイミングというよりは、自分自身が気持ち的に伝えたくなっちゃってるタイミングなのかなと。
相手を信頼できる(から言おう)という確信と、相手を信頼したい(から言いたい)という気持ちって、実際問題ごちゃまぜになってしまうものだと思うから、難しいよね。
私が初手自己開示派として生きてきた経験があるので強く言いたい。急に自己開示をわっとすること自体が、相手にプレッシャーを与える可能性があります……。
それは、お相手に「自分も開示しなきゃいけないのかな」と思わせてしまうってこと?
というよりは、「私を丸ごと受け入れてくれるよね」という気持ちが結構前に出ている時がある。
なるほど。そう考えると、段階だとしてもやっぱり「いつの段階で」「なにをどこまで」言うかも大事なポイントだね。この件に閉じた情報だとしても、たくさんのグラデーションがあると思うの。たとえば
・服薬していること
・薬の種類、副作用
・そのざっくりとした理由
・詳細な背景
などなど…。
うんうん。
うーん。書き出して思ったけど、私だったら結婚するとしても、最後の項目は特別詳細に言わない可能性があるかもなあ。私自身、夫に細かく言っていないこともある。それは「傷つける可能性が高い」かつ「余分な情報の可能性が高い」両方を満たしていると言わない、という判断をしてるかな。まあ、スッキリするという理由で言いたい気持ちはどっかにずっとあるけどね。
もちろん「自分の背景を受け入れられない人ならやめておきたい」「乗り越える上で協力してほしい」ということなら早めに開示してもいいんだよね。何を求めるか次第かなあ。
ちはるさん自身が、まず自分のニーズを確認できるといいってことだね。
背景にからむご家庭の事情が現在もリスクなのだったら、言ったほうがいい度が上がるよね。誰かと一緒に生きてみたいと思えて、行動できていることはとてもすてきなことだと思うので、価値観のすり合わせの中で必要に応じて話す / 話さないが決められるといいね。かんがさっき言ってた基準はいいなと思った!
よかった!まぁでもその前提として、自分の心を一番大切にしてほしい。
それはそう!
就活でも、この会社好きだな〜って思って一定楽しそうな未来が想像できても、自分の何らかのタイミングが合わなくて見送りになるってことあるじゃない。例えば地方に移住したところなのに、都内フル出社マストとかさ。
あるね。
だからどんなに素敵な相手でも、開示しなきゃいけないタイミングにどうしても自分の心が追いつかないこともあるかもしれない。そこで無理して合わせにいって、自分の心を無視したら、別のところに悪影響でちゃうかもしれないから、それはできればしないでほしいと思った。
うんうん。「もし結婚するならお互いに共有しておきたい事項ってある?」という聞き方でもいいのかも。向こうは向こうで何か言いたいことがあるかもしれないから、自分の話より、聞き出しておいた方がいい項目の方が実はあるかも!
お相手にもフラットに情報を出せる機会を提供するかんじね。
ちなみに私の友達、お見合い経由で知り合った相手と結婚する前、結婚観を細かく聞くエクセルを渡してたよ。ちはるさんも逆に相手に聞いてみたいことをリストにしてみても発見があるやもです。
エクセルおもしろ!公開してほしい。
ちはるさんが自分を大切にしながら、お相手と納得のいくコミュニケーションを取れるように心から応援してます!またなにかあったら気軽に相談送ってくださいね〜
Illustration_Maiko Sugiyama