平成元年生まれのオタク4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、わいわいトーク!メンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで登場します。
今月は、GINZA12月号(11月12日発売)「THE KYOTO GUIDE」特集から連想し、“京都とオタ活” について、ひらりささんとかんさんがお話します!
劇団雌猫の“幕間におしゃべり” vol.06

平成元年生まれのオタク4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、わいわいトーク!メンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで登場します。
今月は、GINZA12月号(11月12日発売)「THE KYOTO GUIDE」特集から連想し、“京都とオタ活” について、ひらりささんとかんさんがお話します!


ねえねえ突然だけど、ひらりささんって京都に住んでたことあったよね…?
待って、それは完全に存在しない記憶だよ。住んだことない(笑)。でも20代前半から、インターネットで知り合った友人に会いに、頻繁に京都へ行くようになったのよ。だから、東京出身者にしては比較的よく行く人ではあると思う。


あーーそうか!そのイメージだ!正直、兵庫県出身の私よりも、ひらりささんは頻繁に京都へ行っていると思うの。お友達が住んでたというだけにしては頻度高いよね。
そうだね、京都好きなの。でも私は寺社仏閣とかじゃなくて、美術館とかカフェとか、オタ活ついでに巡る場所としての京都が多いかも。


私は子供の頃から、週末にちょっと足をのばすくらいの感覚で京都に行っていたんだよね。親戚がいたり、弟も最近まで京都に住んでいたり、生活圏の延長みたいな距離感。だからこそ魅力がわかっていない気もしているから今日は話すのが楽しみだった!
京都でオタク関連というと、やっぱり日本が誇るアニメ制作会社「京都アニメーション(京アニ)」の存在が大きいよね。特に私は、京アニが制作した水泳アニメ『Free!』にハマってたから、「みやこめっせ」っていう大きなイベント会場で開催される催しに行ったり、京都各地を巡るスタンプラリーに参加したりしてた。


『Free!』は舞台自体は京都じゃなくて鳥取だけど、京アニ制作だから京都でイベントたくさん開催するんだね。そもそも作品の舞台や設定として京都が出てくる漫画やアニメも多いよね。
うんうん、私も『青の祓魔師』という漫画の京都編に釣られて、京都まで聖地巡礼したこともあるな。


昔だと『るろうに剣心』も京都編がめっちゃ人気だし、最近だと『呪術廻戦』でライバル校として京都校が出てきた時はめっちゃテンション上がった。なんか京都ってフィクションの設定に不思議に馴染むというか、現実と非現実をつなぐ装置としてイメージしやすいんだよね。
去年京都に行ったときは、新撰組の聖地をちょっと巡ったんだけど、その時に新撰組をモチーフにした『薄桜鬼』っていう作品の絵馬が普通に飾ってあって感動した。歴史的な名所や史跡にオタクの痕跡がひっそり残ってるのも京都の楽しいところ。


へー!しかし、どうして突然新撰組の聖地を巡ることになったの?
友達が『Fate/Grand Order』というゲームにハマってて、その中に新撰組のキャラクターが出てくるのよ。あと去年は、NHK大河ドラマの『光る君へ』ブームだったから、源氏物語関連とか、そっち方面のスポットに観光客が流れていて、新撰組スポットがほどよく空いてたの。(笑)


いやー京都の昨今の混雑状況は正直かなり深刻だからね。旬のコンテンツではなく、ちょっと落ち着いてるコンテンツのスポットを巡るのはいいかもだね。
京都は今本当にどこも混んでるよ。四条河原町あたりなんて、アニメイトも何もかも全部混んでる。


私は京都を旅行の拠点にすると疲れちゃうから、宿泊地は大阪とか神戸にして、日帰りで立ち寄ることにしてるよ。最近、大阪梅田駅から京都に向かう阪急電車の京都線で、PRiVACE(プライベース)っていう有料の座席予約システムができたのよ。これまでは大阪から京都にいく電車で1時間ほど混雑の中立ちっぱなしということが多かったんだけど、観光でガッツリ街歩きする前にそれはしんどい。阪急に500円課金すれば確実に京都まで座れるということで、結構コスパいいなと思って活用してる。
それはいいね!移動で疲れるのは避けたいよね。私は逆にオフシーズンの平日に行って、穴場カフェを転々としながらブログ書いたり映画観たりして帰る、とかをやってる。京都に住んでる人の設定で動くと意外と混まない。


なんて京都玄人な楽しみ方なんだ。私はね、現地の移動は自転車派。観光用の自転車レンタルショップでもいいし、道路に設置してあるレンタサイクルサービスもあるのかな?鴨川沿いとか裏道を走ると結構空いてるし、真夏や真冬でなければめちゃくちゃ気持ち良いよ。注意点としては、京都は何気に坂が多いので、絶対に電動自転車を選んでほしい。
私も今年行ったときにLUUPを使ったけど、意外と返却できるエリアが広くてびっくりした!


ここ数年はレトロ喫茶店ブームもあって、コーヒー飲むにしても混んでるよね。昔行ったことがある先斗町の喫茶店に久しぶりに行ってみようかな、と思ったら路地から人が溢れるほどの大行列で、当分行けないわと断念した。
四条大宮みたいな少し外れた場所に行くと、急に人混みが落ち着くよ。いい感じの珈琲屋さんも多いのでおすすめ。


ひらりささんって、そういった「THE・京都」という感じの場所ではない、おしゃれなスポットにも詳しいよね。写真展とかも行ってなかった?
そうそう「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」っていう写真の国際的なイベントが毎年京都で開催されていて、展示されている写真自体ももちろん素敵なんだけど、展示方法が大胆に建物を活かしたものだったりして、美術に詳しくなくても楽しめるよ。


気になるー!来年行ってみたいな!!
あと「文学フリマ」(文学作品の展示即売会)も、年々人気が増して、ビッグサイトで開催される東京会場が混みすぎているらしくって。あえて、大阪や京都で開催される回に出展する人が増えてるって聞いた。


お、文フリの京都会場も『Free!』のイベントが開催されてたみやこめっせなんだね。そういえば、私何年か前に京都駅で京アニのポップアップショップに遭遇して、もぐもぐさんに、『Free!』の複製原画を買って帰ったことがあったよね!?
あったね〜。もぐもぐさんが好きなキャラクター2人が描かれてるやつだよね。かんから興奮気味にグループLINEに連絡がきたの覚えてるわ(笑)。


もうすぐ新幹線に乗るのですが買って帰ろうか!?ってね。あの時は確か、高校生の頃から好きだった恵文社っていう本屋さんに行った帰りだったと思う。
あー!恵文社一乗寺店。あのお店は建物も魅力的なんだよね。本の話だと、高校生の頃は森見登美彦に憧れてたから、京大ミステリ研に入りたかったなあ。あと修学旅行では、立命館にある「ぞんち」に入ったよ。西尾維新の「戯言」シリーズに出てくるの。


「ぞんち」って何?
立命館大学の学生食堂の愛称。戯言シリーズぜひ読んでみてほしい!京都御所でバトルしたり、一見ショッキングな出来事も、なぜかあまり深刻じゃないテンションで進むから楽しいと思う。


京都って語り尽くされたテーマではあるけど、オタク同士で話すと全然別の街に見えて面白いね。
有名な観光スポットは混んでて疲れるけど、ちょっと視点を変えたら意外と空いてて魅力的な場所がいっぱいあるよね。これからも発掘が楽しみ!

Illustration_Maiko Sugiyama