DJ、シンガー、モデルとしてジャンルを横断しながら活躍し、きもののスタイリングやプロデュースでも注目を集めるマドモアゼル・ユリアさん。初の単著『きもののとりこ』では、音楽とファッションの最前線で培ってきた審美眼を携え、きものと日本文化を自身の視点で掘り下げている。年の瀬からお正月へと、きものが一番映える季節がやってくる!今こそ知っておきたい、本書の見どころは?
マドモアゼル・ユリア、初の単著『きもののとりこ』に込めた思い
愛好家もビギナーも惹きつける、ヘアアレンジ&小物 etc.

「きものをワードローブのひとつとして選んでほしい」。そんな思いのもと、本書ではアンティークの名品から気鋭の現代作家の作品まで、自身のコレクションを軸に、四季に寄り添う色柄選び、きものの種類や格、スタイリングの基本をわかりやすく紹介している。
「母が着付けの仕事をしていて、父は美容師。きものは身近にありましたが、十代の頃は特別な興味はありませんでした。転機はDJとして海外に行くようになったこと。海外から見たきものの視点がとても新鮮で、印象が大きく変わったんです。きものを知ると、小説や映画、日本画の見方まで変わる。昭和の小説に出てくるきものの描写も、情景がはっきり浮かぶようになりました」とユリアさん。
「父の影響で美容学校に通い、美容師免許も取った経験は、ヘアや全体のバランス感覚に無意識のうちに影響を与えていると思います。きものは形が決まっている分、髪のボリュームやシルエットとのバランスがとても重要。洋服以上に“トータルの美しさ”が大切だと感じています。この本では、10年後に読んでも古くならないよう、“きものそのものの美しさ”が伝わるスタイリングを意識しました。織りや染め、刺繍、生地の質感や色使いも、洋服が好きな人に『きものって素敵』と思ってもらえる入口になればうれしいです」

「きものは特別なものに思われがちですが、デザインとして見ることで楽しみ方の幅がぐっと広がります。400年以上変わらない形には、奥行きと複雑さがあり、惹かれ続けています。洋服や映画、アートなど、好きだったカルチャーの先にきものがあった。一度ハマったら、きっと誰でも虜になると思います」
伝統としてではなく、いまの自分のスタイルとしてきものを楽しむためのヒントが詰まった一冊。自由に、軽やかに、そして美しく。きもののある日常への扉をそっと開いてくれる。
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マドモアゼル・ユリア
DJ、きものスタイリスト。音楽やファッションの世界で常に感性を養いながら、時代や流行を超えて息づく“きもの”の美を探求する。SNSや雑誌など多彩なメディアを通して、その魅力を世界へ発信。きもの教室を主宰し、YouTubeチャンネル「ゆりあの部屋」は毎週配信中。
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