街がだんだんと煌びやかになっていくホリデーシーズン。銀座6丁目の商業施設「GINZA SIX」にもクリスマスが訪れた。音楽プロデューサーNujabesの楽曲「Reflection Eternal」をテーマに、国内外で注目を集めるクリエイティブ集団「YAR」がインスタレーションを制作。エントランスと屋上庭園のスケートリンクには、優雅に回転するツリーのモニュメントが期間限定で展示されている。
Nujabesの楽曲にインスピレーションを得たクリスマス
クリエイティブ集団「YAR」によるインスタレーションが「GINZA SIX」に出現

音楽プロデューサーのNujabesは、ジャズとヒップホップを融合させたメロウなサウンドで、Lo-Fi Hip Hopの先駆者として世界的に評価されてきたアーティスト。代表作には、『Metaphorical Music』、『Modal Soul』、アニメ『サムライチャンプルー』の音楽を担当するほか、2004年の〈コムデギャルソン・ジュンヤワタナベ〉のランウェイで音楽ディレクターを務めるなど、多岐に渡り活躍してきた。2010年に交通事故で逝去するも、今もなお多くのファンに愛されている。
「GINZA SIX」の2025年ホリデーシーズンのテーマに選ばれた“Nujabes”。今回、彼のサウンドを空間として作り上げたのは、国内外で活動するデザインスタジオ「YAR」だ。音源をそのまま用いるのではなく、「Reflection Eternal」という楽曲の世界観を“光”と“音”と“色”で表現してほしいというリクエストから出来上がったのは、銀座の街にスッと溶け込むように現れたモダンなツリーのモニュメント。どのように生まれたのか「YAR」チームに話を聞いた。
「まずは彼の作品を一通り聴いて、楽曲をリストアップすることからはじめました。曲調はもちろん、曲名や歌詞からホリデーのきらめきや温もりを感じられるか、さらに今後展開するデザインに落とし込めるキーワードが含まれているかを意識しながら分けていきました。スタッフの中にNujabesの大ファンがいて、その子にも話を聞きながら進めた結果、着地したのが『Reflection Eternal』です」と、アシスタントプロデューサーの本田有希さん。
暖色と寒色の面が交互に見え隠れしながら、しなやかに回るツリー。思わず立ち止まって眺めていたくなる優美な動きや見え方には、制作チームのこだわりが詰まっている。
「“Reflection Eternal”は、永遠に光が続いていくような響きがあって、銀座の街のきらめきとも合う。歌詞の中にも“レインボー”という言葉が出てきたり、今回のテーマに紐づくキーワードがたくさん含まれていたんです。実は、ピアニストの巨勢典子さんの楽曲『I Miss You』がサンプリングされていて、そのピアノのメロディが特徴的。そこから鍵盤が螺旋階段のように積層されていく構造をイメージして、それをツリーに見立てるアイデアが浮かびました。ゆったりと回るアルミ製の羽には、街並みや空、光が映り込み、時間帯によってその表情が少しずつ変化していきます。そして行き交う人のシルエットも映り込んで景色と混ざり合う。銀座の街の中で広がっていく光の連なりを演出したかったんです」と、デザイナーの大西碧さん。
「反射している面は素材そのものを活かしているけれど、グラデーションになっている部分は、一度職人さんがアルミの表面を磨いた上にプリントを施しているんです。その作業はかなり大変だったと聞いています。そうやって僕らの要望や思いに真摯に向き合ってくださる方々と共に作る上げることができました。『GINZA SIX』のようにアートと商業の両方を実現しようとする商業施設は、ほかにあまりないですよね。いろんな方がこの屋上を訪れて、みなさんに魅力が伝わると嬉しいです」とプロデューサーの横山駿吉さんは話す。
銀座で過ごすホリデーシーズンを盛り上げる大きなツリー。街中に現れたインスタレーションがより特別な時間を彩ってくれるはず。
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【Rooftop Star Skating Rink】
期間_開催中~2026年1月25日(日)
営業時間_平日 14:00~20:30、土日祝 11:00~20:30(最終受付 20:00)
*12月20日(土)~1月4日(日)は11:00~20:30
*12月31日(水)は11:00〜18:00(最終受付 17:30)
場所_ GINZA SIX ガーデン(屋上庭園)
休業日_2026年1月1日(木・祝)、1月2日(金)
*荒天時など当日の天候により、営業時間や開催内容が予告なく変更・中止になる場合あり。
*営業状況はGINZA SIX WEBサイトにて要確認。
Photo_Wataru Kitao Text_Nico Araki





