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社会や組織が求める、ジェネラリストとは?スモールビジネスのススメ vol.04

社会や組織が求める、ジェネラリストとは?スモールビジネスのススメ vol.04

「アクセや小物を手作りして売りたい」「自宅で料理サロンを開きたい」など、好きなことの延長でスモールビジネスを起業したり、ライフワークになるような兼業をしてみたいと憧れる人は多いはず。
新しいことにチャレンジしたいけれど、夢に近づく第一歩をどう踏み出せば良いかわからない女性に向けて東京大学を卒業後、外資系企業を経て、農家での経営改善が話題となっている、“改善のプロ”・佐川友彦さんに考え方のコツを聞きました。
第4回目は、複数のスモールスキルを武器にしていく方法について解説。前回の「壁にぶつかったら、課題解決で乗り越える」も合わせてチェック。


●スペシャリストか、ジェネラリストか。

キャリアを積み重ねる上で、専門性を追求するスペシャリストか、色々なスキルを持つジェネラリストを目指すか。自分がどちらに適しているのか、悩む人も多く見受けられます。

自分の適性を見極めることはとても大切ですが、まずはどちらにも縛られず、両軸で自分の能力を伸ばして、なりたい自分に近づくことをお勧めします。

僕の話をすると、初めての就職先である外資系企業での研究職はひとつの分野を突き詰めるスペシャリスト型でした。

研究テーマは太陽光発電パネルの寿命。どんな経年劣化や故障が起こるのか、どんな設計にすればもっと寿命を延ばせるのか、寿命を予測するためにどんな試験をすればいいのか。実験や分析を繰り返しながら、課題を深堀りしていきます。

環境問題に使命感があった僕にとって、まるで夢が叶ったような仕事ではあったのですが、自分は元々は一つのことを突き詰めるよりも、色々なスキルを組み合わせて仕事をしたいタイプ。研究職を経験し、かつ、ジェネラリスト志向の自分の能力をもっと発揮できる場所がないかと考え、転職を決意します。

研究職を辞めた後の無職期間には、ウェブ制作、プログラミング、簿記やビジネス、経営など、興味本位でやみくもにいろんな勉強をしていたのですが、実はこれが後の「阿部梨園」の改革で大いに役立ちました。

個人経営の農業は零細ですが、会計も人事も総務も営業もあって、小さいけれど全部の機能がある。自分が身につけたさまざまな技術が役立てられましたし、そこで多様な仕事をこなしていくことで自身のジェネラリストとしてのスキルを伸ばすことができたと思っています。

●ハイアマチュアなスキルを組み合わせて、マルチタレントを目指す。

その分野で誰にも負けない強みを持っているスペシャリストと比べると、ジェネラリストの利点は一見わかりづらいかもしれません。しかし、今やるべきことに悩んでいる方には、まずはジェネラリストとして複数のスキルを習得していくことをおすすめします。

スキルが専業ほどではなくて、そこまで大きな価値でなくても、それが3つ、4つと複数組み合わさると「マルチタレント」として、色々な場面で自分を発揮できることがジェネラリストの大きな利点です

僕が勉強したウェブ制作、プログラミング、簿記やビジネス経営 etc…。一つ一つの技術は素人に毛が生えたくらいのものでした。しかし困っている人(=個人経営の農業)に対しては「値札」がついたように、「ちょっとやったことがある」「人よりは知っている」くらいの知識でも、助かる人や進められるプロジェクトはあります。

●すでに武器は持っている!まずはスキルの棚卸し。

僕は、人柄や性質のようなものもスモールスキルだと思っています。

なにも職務経歴書に書くような事柄でなくても、「周りの人と円滑にコミュニケーションをとりながら仕事ができる」「責任感を持って仕事に取り組める」といった業務遂行能力も、全体を考えて組織に貢献していけるスキルと言えます。

だからこそ、様々な部署や企画に関わることは将来の価値になりえますし、そこで得たスモールスキルを大切にしていただきたい。異業種に持っていくことで別の活路が見いだされるケースもあります。

今の仕事が退屈な繰り返しで、新しいスキルを身につけるチャンスがないように感じる方もいるかもしれません。そんなときは、新しい企画を提案してみたり、他所のプロジェクトに足を突っ込んでみたり、仕事の進め方を工夫してみたり、何か自分で変化をつけてみましょう。新しいことに関わっていれば、自ずとスキルは増えていきます。

まずは自身のスキルの棚卸しをして、役立てられる場面がどこにあるか模索してみてください。

佐川 友彦 さがわ・ともひこ

1984年生まれ。東京大学農学部、同修士卒。外資メーカーDuPont社の研究開発職を経て、2014年9月より栃木の阿部梨園に参画。阿部梨園では代表阿部の右腕業として、経営管理、企画、経理会計、人事労務など、経営に関するオフィス機能の全てを担当。その改善実例300件を公開するクラウドファンディングを実施し、300人以上から約450万円の支援を集めて話題を呼んだ。現在は、経営コンサル等を行うファームサイド株式会社を起業。2020年9月、ダイヤモンド社より『東大卒、農家の右腕になる。小さな経営改善ノウハウ100』を出版。

Illustration:Hiroaki Seto Text: Mariko Kojima Edit: Karin Ohira

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