素敵な女性っていい香りがする。香りでその国の成熟度がわかるなんて話もあり、レディたるもの、しっかりフレグランスの知識を身につけて、自分に合った香りをまとわなくちゃ。年に1度、〈伊勢丹新宿店〉に世界中のフレグランスが集結する香りの祭典「イセタン サロン ド パルファン」の開催にさきがけて行われたメディア向けフレグランスセミナーにライターCが潜入。その模様をレポート。
香りはレディの作法。伊勢丹新宿店に世界各国のフレグランスが集結する祭典にさきがけセミナーに潜入
香りの勉強はじめました
いつもは旅先で出逢った香りや、プレゼントされたフレグランスをつけている私。それがマイフレグランスだと思い込んでいるけれど、果たして自分に合う香りなのかは謎。
会場に到着し着席するとプレスキットが置かれていました。ピンクの表紙にときめきながら、冊子を手に取るとずっしり。なんと92ページもある。これはメディア用に用意されたものではなく〈伊勢丹新宿店〉の店頭で無料配布されているものなのだとか。
冊子をめくると、今回の講師でフレグランスアドバイザーMAHOさんによる「似合う香りの見つけ方」から、香りに関する基礎知識、今をときめくブランドの新製品まで香りの情報が満載で、まさに香りのバイブル。〈伊勢丹〉の香りにかける並々ならぬ熱意が伝わってきます。MAHOさんのコメントを交えながら、セミナーで得た知識をちょっぴりご紹介します。
海外と日本、香りの市場調査
そもそも香りは、流行にとらわれず希少価値の高いフレグランスを展開するメゾンフレグランスと、ブランドが掲げるコンセプトを香りやボトルで表現するファッションフレグランスの2つに分かれるのだとか。MAHOさんによると、フレグランス大国のヨーロッパではコスメ全体の売上げに対してフレグランスが約50%を占め、香水売り場は日本のデパ地下並みの賑わいなのだそう。2000年以降もメゾンブランドが続々誕生し、ラインナップは年々充実。日本でも、人とかぶらない香りが欲しいというミレニアル世代の増加で、フレグランス市場はますますヒートアップ。
時代を反映し心にも影響を及ぼす香調
香りの系統を表す香調は、フローラル、フルーティ、シトラス、グリーン、オリエンタル、ウッディ、スパイシーなどが代表的。香調は時代を色濃く反映し、フローラルアルデヒドなどかつて一世を風靡しながら消えつつある香調も。母がつけていた濃厚な香水は当時の先端だったのかも。香りは心に深く影響するので、目指すスタイルにフィットする香調を選べば気分や所作にも変化が生まれてくるのだそう。長い間同じ香りを使っていた私ですが、新しいブランドや新作にチャレンジしたいという気持ちが強くなってきます。
間接的に香りを楽しむという美意識
「体臭のない日本人には香水なんて必要ないという意見もあるけれど、日本人には間接的に香らせる文化があります」とMAHOさんは語ります。空間や衣類を香らせたり、素肌につけて体温で柔らかくしたり。香水に抵抗がある人にはシャワージェルやボディローションなどで香りのレイヤリングをお勧めすることもあるのだとか。
香りに魅せられて
この後、注目のブランドや愛用のフレグランスなどのご紹介があり、実際に香りを嗅いで比べてみました。1時間という短い時間だったけれど、香りについて知れば知るほど興味が湧いてくる。「イセタン サロン ド パルファン」ではそんな香りの魅力や奥深さを感じられるセミナーやパーソナルなカウンセリングが開催されます。期間中は先行発売のフレグランスや限定キット、刻印サービス、各ブランドによるイベントなど盛りだくさん。ちなみに〈伊勢丹新宿店〉のフレグランスコーナーには資格を持ったフレグランスセールススペシャリストが在籍。バーでカクテルをオーダーするときのようにあれこれ自分の好みを伝えつつ選んでみて。
約45のブランドの中から逸品をご紹介 〈ゲラン〉レ キャトル セゾン オーデパルファン
190周年のゲラン これぞ、究極のオートクチュール!
創立190周年を迎える〈ゲラン〉から超ラグジュアリーなフレグランスが登場。5代目調香師のティエリー・ワッサーによる、四季をイメージして誕生した4種のフレグランスのボトルデザインは、パリで話題のフェザーアーティスト、ジャナイナ・ミレイロによるもの。世界で各20点という希少なフレグランスは限定各1点限り。「ヨーロッパのオークションではフレグランスのヴィンテージボトルが何千万という高値で取引されているので、このボトルでこの価格はむしろお手頃かもしれません」とはMIHOさんの弁。必見です。
レ キャトル セゾン オーデパルファン 500mL(ゲラン)各¥2,484,000
〈パルフェ〉 パルフェ オイル パフューム
アルコールフリーの気軽にまとえるロールオン
グラース発、自社農園の植物から得られるエッセンシャルオイルを使ったアルコールフリーのフレグランスブランド〈パルフェ〉。コンパクトなボトルに入ったリュクスなオイルパフュームは気軽にまとえるロールオンタイプ。
パルフェ オイル パフューム 10mL全12種 ¥3,888
〈ゲラン 〉ラール エ ラ マティエール ドロップ
ラグジュアリーなモバイルフレグランス
〈ゲラン〉を代表するフレグランス「ラール エ ラ マティエール」の香りを、木花に滴る滴のように美しく繊細なボトルにイン。
ラール エ ラ マティエール ドロップ 各20mL 各¥8,532/シース 各¥1,512*フレグランスとシース(キャップ)のセット販売
〈パルル モア ドゥ パルファム〉ユヌ トン ドゥ ローズ オードパルファム
ダマスクローズが表現する洗練
名香を生み出してきた調香師ミシェル・アルメラックによるブランド。200以上の素材を芸術的に組み合わせ、モダンなエッセンスをプラスした印象深い作品が揃う。貴重なダマスクローズのエッセンシャルオイルを主役にしたフレグランス。スパイシーなパチョリがバラの香りを引き立てる。
ユヌ トン ドゥ ローズ オードパルファム 50mL ¥15,120
<ラリック>レ コンポジション パフュメ コレクション
職人技術が息づくクリスタルガラス
創業130年、圧倒的な技術と比類なきクリエイティビティでクリスタルガラス界のオートクチュールと呼ばれる〈ラリック〉から登場したフレグランスライン。
レ コンポジション パフュメ コレクション 各100mL 全6種 ¥35,640
<エラ ケイ> サガノの詩
旅する女性調香師が紡ぐ一編の詩
昨年スタートした、旅を愛する女性調香師ソニア・コンスタンによるメゾンブランド。訪れた地とそこで湧き上がった想いのシンボルとなる香料を中心に感銘を香りに託すというスタイル。この香りの舞台は日本。荘厳な竹林に囲まれて愛しい人と瞑想のひとときを過ごしているような静謐な世界観のフレグランス。
サガノの詩 70mL ¥28,080
開催期間: 10月31日(水)~11月5日(月)
営業時間: 10:30〜20:00 ※最終日は18:00終了
会場: 伊勢丹新宿店本館7階=催物場
問い合わせ: Tel03-3352-1111(大代表)