ヴィヴィッドからペールトーンまで、デザインもさまざまなピンクアイテムがメンズに定着。ジェンダーレスなおすすめをピックアップすると同時に男性が着るようになったポイントを服飾史の専門家に教えてもらった。
服飾史からみる“男のピンク”
お話を聞いた方
朝日 真さん
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朝日 真
あさひ・しん>> 早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科を修了。文化服装学院専任教授で近現代西洋服飾史を担当している。
実は、服の素材には、18世紀まで性差がないとされているんですよ。新古典主義時代までは、レースなどの装飾をふんだんに盛り込んだロココ様式が貴族に愛されました。その中で特にステータスシンボルとして重宝されたのがピンクなんです。現代は染料で簡単に濃度を調整できますが、当時、中間色は至難の業。ピンクに染めるには昆虫のコチニールカイガラムシを原料としていたと言われています。手間暇かけた生地は高価で取引され、地位の高い者たちがまとうドレスやコートにのみ用いることができたということです。
Photo_Hikari Koki (products) Text&Edit_Minori Okajima