この夏観ておきたい話題作を、キーワードに分けてご紹介。気になるものは忘れずチェック。欲張りに全部観るのもいいかも。
新感覚ホラーから社会派まで。キーワード別、夏公開の注目の6映画

王道&新感覚ホラー
『E.T.』や『グーニーズ』をはじめ、1980年代のアメリカは10代の若者を描くジュブナイル映画の黄金期。それらに影響を受けたクリエイターは数知れず、カナダの映像制作ユニット「ROADKILL SUPERSTARS ( R K S S )」 もそのうちの1組 。彼らの最新作は、15歳の少年たちが連続殺人鬼を追いかける青春ホラー。珠玉のジュブナイル & スラッシャー映画に仕上がった。
監督 : RKSS
出演 : グラハム・バーチャー
配給 : ブロードウェイ
8月3日から新宿シネマカリテほか全国順次公開。
ジェンダーの壁を超える
『ロケットマン』
『ボヘミアン・ラプソディ』で大成功を収めたデクスター・フレッチャーが次に監督するのは、グラミー賞を5度受賞し、世界一売れたシングルの記録を持つ伝説的ミュージシャン、エルトン・ジョンの波乱万丈な人生。エルトン本人もプロデューサーとして参加し、『キングスマン』で知られるタロン・エガートンが主演を務めるなど豪華絢爛。
監督 :デクスター・フレッチャー
出演 : タロン・エガートン、ジェイミー・ ベル
配給 : 東和ピクチャーズ
8月23日から全国劇場にて公開。
ゲイアートの先駆者、トム・オブ・フィンランドことトウコ・ラークソネ 『ボヘミアン・ラプソディ』で大成功を収めたデクスター・フレッチャンの波乱の半生を描く作品。ゲイカルチャーのアイコンとして評価され、2014年には記念切手に。2017年に同性婚を認めたフィンランドの先進性を示す英雄的存在だけれど、これまで謎に包まれていた。フィンランドを代表する映画監督、ドメ・カルコスキによって今そのベールが解かれる。
監督 : ドメ・カルコスキ
出演 : ペッカ・ストラング
配給 : マジックアワー
8月2日からヒ ューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開。
大人も唸る最新アニメ
『キリクと魔女』などで知られるフランスアニメーション界の巨匠ミッシル・オスロ監督による待望の新作。ベル・エポックのパリを舞台に、ピカソなどさまざまな芸術家と出会う少女の冒険の物語で、夕暮れのヴァンドーム広場やオペラ座、チュイルリー公園や凱旋門などの美しい背景 は、監督自身が4年間かけて撮りためた写真を元に制作された。
監督: ミッシェル・オスロ
配給 : チャイルド・フィルム
8月24日からYEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマント ラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
世界の問題に切り込む
脚本と主演を務めるダヴィード・ディグスとラファエル・カザルの2人は、ベイエリアの高校で出会い、フリースタイルラップをしながら育っ た親友同士。人種や貧富の違いによって起きる問題を映しながら、2人が大切にする言葉やヒップホップの精神も垣間見える作品に。バラク・ オバマ元アメリカ合衆国大統領も絶賛。2018 年ベストムービーに選出された。
監督 : カルロス・ロペス・エストラーダ
出演 : ダヴィ ード・ディグス
配給 : REGENTS
8月30日から新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
ムンバイ出身の女性監督、ロヘナ・ゲラの長編デビュー作。メイドとして働く女性と彼女が仕える御曹司の男性が、厳しい身分制度や因習を乗り越えて愛を育む様子を描く。日本ではあまりリアリティのない身分の壁。観終わる頃には、邦題のメッセージが心に染み込んでくる。ムンバイの活気ある街並みや民族衣装の美しさ、シックなインテリアも見どころ。
監督 : ロヘナ・ゲラ
出演 : ティロタマ・ショーム
配給 : アルバトロス・フィルム
8月2日からBunkamura ル・シネマほか全国順次公開。
2001年に大干ばつが襲ったアフリカ最貧国のマラウイ。いまだに祈りで雨を降らせようとする土地で、風車を使い電力を起こして水を手に入 れる方法を知った少年がひとりで立ち上がる。14歳の少年が独学で起こした奇跡の体験を綴り、世界23カ国で翻訳された同名のベストセラーが映画化された。
監督 : キウェテル・イジョフォー
出演 : マ ックスウェル・シンバ
配給: ロングライド
8月2日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
Text: Rio Hirai