バービー。このアイコニックなドールが生まれたのは、今から60年前。生まれ故郷のLA・マテル社を訪ねながら、彼女の魅力に迫る。
自分らしくを愛せるように。永遠のアイコン、バービーの出身地からリポート!

「可愛い」けど「可愛い」だけではない、自立心あふれる女の子
バービーはどんな女の子か。アメリカ・ウィスコンシン州出身、おしゃれでアクティブ。洗練された顔つきに、ディテールまでこだわった服装。60年代にはローラースケート、70年代にはスポーツやダンススタイルを楽しむなど、時代のトレンドにもどんどん挑戦していく。ジェンダーにとらわれることもなく、これまでに200種類以上の〝職業〟も体験してきた。大統領候補や宇宙飛行士にだってなったことがあるのだ。
彼女らしさは、その生い立ちにすでに表れている。1959年、米マテル社創設者の一人ルース・ハンドラーは、自分の娘が遊ぶ姿を見て思ったという。「なぜ、女の子にはいつも母親役かシッター役しかないのだろう?」—そして生まれたのがバービー人形だった。メッセージは、〝You can be anything.〟(何にでもなれる)。水着姿の初代は、大人びた表情で目配せしながら、ファッションドールとして堂々登場。これは当時の米国玩具マーケットに革命を起こし、「女の子のお人形」の概念を大きく組み替えていく。彼女は常に時代を映しながら、少女たち一人一人の憧れであり、伴走者であり続けてきたのだ。
デビュー60周年に際しては、キーカラーであるピンクで全身スタイリングした「バービー ファッション・モデル・コレクション オールピンク」で登場。大人っぽく品があり、とても可愛らしい。けれど、彼女のまとうピンクは強く、意志がある。このインディペンデントな魅力こそ、60年間世界中の女の子の心をとらえ、鼓舞してきたものなのだろう。
As a fashion icon
唯一無二のミューズ
バービーほど、幅広いデザイナーとコラボレーションしている存在もないだろう。90年代から、50以上のファッションブランドが彼女にオリジナルスタイリングを提案してきた。
たとえば、ジャケットにたっぷりとしたスカートを合わせた〈ディオール〉の「ニュールック」。アメリカンクラシックを体現した〈ラルフ ローレン〉。〈クリスチャン ルブタン〉のシューズをはいてキャットスーツに身を包むこともあった。
どんな洋服も自分らしく着こなすセンスで、バービーはモード界を虜にしている。
“We love BarbieTM!”
バービーを愛するクリエイターたち
「バービーのようにパワフルなドールは他にない」と語るのはマテル社のロバート・ベスト。シニア・ディレクターとして多くのバービーを生み出してきた。「僕は彼女を、自分が撮る映画の登場人物のように考えている。夢を与える存在としてね」
プロダクトデザインを担当するビル・グリーニング曰く、バービーは常に社会を反映し、女の子たちを勇気づける。ロバートと働くリンダ・チョウも「バービーはとてもパーソナルなもの」と話す。誰もが自分を表現してくれる、自分だけのバービーに出会うこと。それが作り手たちの夢だ。
右からビル、リンダ、ロバート。バービーを愛し、日々クリエイティブに邁進。ビルはコレクターでもあり、300体以上を所有(!)。
Her daily life
ポジティブに毎日を綴る
女の子に夢を与え、大人のクリエイティビティを刺激し続けるバービー。彼女の日常は、インスタグラム @barbiestyleでこまめに発信されている。週末のアクティビティに勤しんだり、仲良しのデザイナーと映ったり、インフルエンサーとしても忙しい。
本当の外ロケもすれば、完璧に彼女サイズに作られた服やアクセサリーがそろうスタジオで撮影することも。コラボレーション商品があるときには、ミニチュアライズされたものを持って撮影に臨むのだそう。
あふれるバービーのパワーをじかに感じられるアカウントだ。
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Photo: Jun Hiraoka, Saki Omi (io_Proudly Pink)