12月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする展覧会をご紹介。
G’s ART REVIEW 世界初の大規模な回顧展『石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか』etc.

石岡瑛子 ポスター [西洋は東洋を着こなせるか]1979(パルコ) アートディレクション
アートディレクター、デザイナーとして、新しい時代を切り開きつつ世界を舞台に活躍した、石岡瑛子。その仕事は、1970〜80年代のパルコなど時代を画した広告キャンペーンから、アカデミー賞も受賞した数々の映画での衣装、ビョークと組んだミュージック・ビデオや北京オリンピックのプロジェクトなどのほか、オペラ、演劇、サーカスなど多岐にわたる。世界初の大規模な回顧展となる本展。パワフルな情熱が刻印された石岡の仕事は、私たちに勇気と力をくれるはず。
【石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか】
『トランスレーションズ展 −「わかりあえなさ」をわかりあおう』
和田夏実+signed[Visual Creole]
テクノロジーの発展によっていつどこでもつながれる現在、「翻訳」の役割も変わりつつある。本展は「翻訳」を「互いに異なる背景をもつ“わかりあえない”もの同士が意思疎通を図るためのプロセス」と捉え、さまざまな「翻訳」のあり方を提示していく。展覧会ディレクターは、情報学研究者のドミニク・チェン。AIの自動翻訳を用いた体験型展示や、手話などの豊かな身体表現、人と動物そして微生物とのコミュニケーションまで。知らない世界への鍵となる「翻訳」の魅力を感じて。
【トランスレーションズ展 −「わかりあえなさ」をわかりあおう】
[桂離宮 中門の乗越石]ゼラチン・シルバー・プリント 1953, 54 高知県立美術館蔵 ©高知県, 石元泰博フォトセンター
石元泰博は、戦後日本の芸術界に大きなインパクトを与えた写真家。日本の伝統建築の新たな解釈を表現した桂離宮シリーズをはじめ、同時代の建築家の仕事を撮った作品、そしてライフワークとなったシカゴと東京の人と街を捉えた作品など、対象の構造的、空間的特性を鋭く捉える石元の美学は今もなお輝きを放つ。生誕100年にあたる2021年に向けて、本展のほか、東京都写真美術館、高知県立美術館でも異なる切り口の回顧展を開催。石元の世界を存分に堪能できる。
【生誕100年 石元泰博写真展 伝統と近代】
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Recommender: 柴原聡子
建築とアートの編集者。近年の巨匠の回顧展続々。彼らの作品は、見る側のパワーを引き出してくれる。