名作、怪作そろい踏み!唯一無二の表現を磨いて人間の輪郭に光をあてる。広くて深い現代日本文学の海から編集部セレクトの小説と随筆を紹介。全32冊から今回はNo.7からNo.9の本をピックアップ。#GINZA編集部が32冊の現代日本文学をレコメンド
🎨CULTURE
GINZA編集部が32冊の現代日本文学をレコメンド vol.3|金原ひとみ『fishy』etc.

7
『fishy』
金原ひとみ
仲間意識や共感はないけれど、定期的に集う28歳、32歳、37歳の女ともだち。不毛の恋、夫の浮気、美容整形を肴に、ゆるくつながる3人。幸せ“そう”な人が真に満たされているとは限らない。また、虚無感を抱くのも自然の摂理だ。(朝日新聞出版/¥1,500)
8
『地球星人』
村田沙耶香
地球という星での繁栄のために恋愛をし、人間を作ることを求められる世界で、生殖器という部品になれない《私はいつまで生き延びればいいのだろう》。そう感じながら少女は、それでも生きるために魔法を唱え、体を取り戻すために戦いに挑む。(新潮社/¥1,600)
9
『私はあなたの記憶のなかに』
角田光代
良妻賢母を育てる中高で校則を破った先輩が退学に!?悲嘆に暮れる後輩らはある行動に出る(「神様のタクシー」)。男子学生が誤受信した人妻からのメールは、不思議な力を持っていた(「地上発、宇宙経由」)。思い出に絡む8編にじんわり。(小学館/¥1,500)
Photo: Natsumi Kakuto Text: Mako Matsuoka Collage: Takashi Tanaka