5月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新譜をご紹介。
G’s MUSIC REVIEW くるりの13枚目のオリジナル・アルバム『天才の愛』etc.

『ニュー・ロング・レッグ』
ドライ・クリーニング
個性派ぞろいの才能ひしめくサウス・ロンドンのインディ・シーンから、その中心のもっともホットなポスト・パンク・バンドのデビュー作が到着。絵画の研究者で音楽経験がなかったヴォーカルのフローレンスの抑揚を抑えたスポークンワーズと、対照的なうねるベース、メロディアスなギターとの駆け引きがスリリング。ソニック・ユース、ディーヴォ、トーキング・ヘッズなどレジェンドの影響を感じさせながら異彩を放つ。風変わりなMVにも釘付け。
(4AD / Beat Records)
『The Things I Can’t Take With Me』
Yaya Bey
ニューヨーク出身で今はワシントンを拠点にするシンガーソングライターのヤヤ・ベイ。自分と向き合い悲しみを手放して、自己を肯定していくセラピーのようなこのEPは黒人・有色人種によって運営される、マイノリティのアーティストのためのレーベルから発表。繰り返すぬくもりのあるアコギのフレーズに語るような彼女のヴォーカルがのり、溶け合ってこちらに流れ込むような恍惚感。ノスタルジックなサウンドにぴったりなカセットテープでもリリースされる。
(Big Dada)
『天才の愛』
くるり
さまざまなジャンルを取り込み自分たちの音を探求しながら、常に新境地を切り開くくるりが13枚目のオリジナル・アルバムを発表。大胆かつ緻密に構築されたサウンドと気だるさや茶目っ気も含んだ痛烈な歌詞の不思議なマッチング、歌うようなインスト曲の情景に身を任せつつ、くるりらしく進む姿にニヤリ。2011年から活動を共にしたトランペットのファンファンが参加する最後のアルバム。完全生産限定盤では2020年の配信ライヴの映像も楽しめる。
(Speedstar Records)
🗣️
Recommender: 奥浜レイラ
音楽、映画のMC。ドライ・クリーニングを筆頭にヘイ、キング!などインディロック熱再び!な春です。