Photo: Eugenia Sierko
2023年4月29日(土・祝)から5月18日(木)まで、大阪中之島美術館にて展示『エルメスのpetit h-プティ アッシュ』が開催される。メゾンの職人やアーティスト、デザイナーたちの自由な対話から誕生したユニークな作品が並ぶ。
Photo: Eugenia Sierko
2023年4月29日(土・祝)から5月18日(木)まで、大阪中之島美術館にて展示『エルメスのpetit h-プティ アッシュ』が開催される。メゾンの職人やアーティスト、デザイナーたちの自由な対話から誕生したユニークな作品が並ぶ。
「petit h」は、〈エルメス〉の中の一つの部門(メチエ)だ。使われずに埋もれかけたさまざまな素材に命を吹き込んで、新しい「役割」を与える場所でもある。
レザーのはぎれ、陶器のかけら、一切れのシルク……素材たちが眠るアトリエは、まるで宝箱のよう。職人やデザイナーはひとつひとつの宝ものを見ながら、どんなクリエイションができるか想像力を働かせる。大きなコンセプトをもとに製品設計をしていく通常のプロセスから逆転、「petit h」のものづくりは「さかさまのクリエーション」とも呼ばれている。
全ての素材に価値を見出し、それぞれの輝かせ方を探る〈エルメス〉の思想と技術。メゾンの各分野を横断するこのプロジェクトでは、伝統のサヴォワールフェールが存分に発揮される。そこから、思いもよらない素材の組み合わせや、意外性に満ちた形が出来上がる。「petit h」は、偶然を楽しみ、自由なクリエイティビティで遊ぶ、発想の実験室なのだ。それは素材のリユースでもあり、循環型社会を目指す営みでもある。
そんな風にして生み出されたたくさんのユニークなオブジェが、この度大阪中之島美術館で展示される。会場デザインは、フランスで活躍するアーテイストの河原シンスケ氏。独自のジャポニズム的表現で描かれたイタズラずきな動物たちが書き割りで会場を飾り、「petit h」の世界への冒険へと案内してくれる。そこは、フランスの卓越したクラフトマンシップと日本らしい洗練された遊び心が出合う空間。見ているだけでワクワクしてくるオブジェに会いに行こう。
会場の大阪中之島美術館は2022年2月に開館した新進アートスポット。2Fの多目的スペースでオブジェの展示が行われ、1Fでは販売エリアが設置される(販売エリアは要予約)。「petit h」のカフェもオープンとのことで、日仏の美を五感で堪能できる好機だ。