アート界における新たなムーブメントは? 識者であるアートプラットフォーム・EASTEAST_のメンバーに、要チェックな傾向やテーマを教えてもらいました。
🎨CULTURE
23年春に知っておきたいアートの多様な“動き”vol.4「ジャンルの垣根を越える」
美術教育を受けた“ザ・芸術”の道を歩む人に限らず、アートシーンで活動する作家が増えている。
「たとえば、山口県を拠点に電子音楽を制作するプロデューサーのtoiret statusさん。フィールドレコーディングだけでなく、自身でプレイしたビデオゲームの音も素材にする作曲スタイルも面白い。さらに映像作家と共同でアートフィルムを制作したり、彼の即興演奏をヘッドフォンで楽しむアートプロジェクト『meet the artist 2022: メディアとしての空間をつくる』が行われるなど、そのパフォーマンスや音源がアート領域として受容されています。
そんな作家が現れたのは、披露の場が増えたことも理由のひとつかもしれません。夜間にクラブ営業しているスポットが昼間はギャラリーに。異なるカルチャーが交わる場所が、新たな表現者を生む可能性もあると思います」(EASTEAST_・JACKSON kakiさん)
toiret status
トイレット・ステータス>> 山口県在住。2015年に作曲を開始。制作から発表までを“食事・消化・排泄・洗浄”になぞらえ「水に流す」をテーマに活動。16年より主に海外レーベルでリリースを重ねる。The Quietus「Best Tape Of 2021」に選出された。
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EASTEAST_
複数のメンバーからなるアートプラットフォーム。取材には「PARCEL」ギャラリーディレクターの佐藤拓、「non-syntax」主宰の金秋雨、アーティストのJACKSON kakiが参加。
Text_Nico Araki, Hasada Yoko Edit_Nico Araki