ダンサー田中泯と彫刻家・名和晃平が、カラダと世界との関係性をともに追究する。Dance『彼岸より』は、2024年1月10日(水)・11日(木)、山梨県甲府市の「YCC県民文化ホール」にて。
田中泯と名和晃平のコラボレーション舞台
山梨の「YCC県民文化ホール」でDance『彼岸より』を上演

踊りと彫刻。方法は違えど、それぞれに身体性や物質性と向き合う田中泯と名和晃平が、初めてコラボレーション舞台に挑む。
70年代より独自のダンスを見せてきた田中。山梨の農村を拠点とし、土に触れ作物を育てることで「カラダ」と自然や労働との関係性を突き詰めている。1988年から2009年にかけて山梨で開催された、日本の野外芸術祭の先駆とも言える「白洲フェスティバル」も、田中の活動の一環。そして、1994年に当時大学生だった名和が強烈な影響を受けた場でもある。
2021年には、名和の個展『TORNSCAPE』にて田中が「場踊り」を行った。これは、ひとつひとつの「場」が持つ固有の何かを瞬時に感じ取り即興で踊るという、"踊りの起源"への田中特有のアプローチだ。このときの名和の展示は、スクリーンに映し出された靄のような煙のような流体がうごめく、仮想ランドスケープのインスタレーションだった。その前で田中が踊り、「場」と身体のエネルギーを衝突させた。
Dance『彼岸より』は、そうした二人の「合作」をさらに進化させたものとなる。踊りを田中、美術を名和が担い、演出と構成は両名が共に手がける。生命にとって最初の環境であり、他者そして世界全体との接続点としての「カラダ」。どんなにデジタル化が進んでも、私たちは自分の身体から逃れることはできない。
舞台では、名和が描き出す場のダイナミズムと、田中のダンス、さらに観る者のカラダとが合わさり、移ろい続ける時の中に特異な衝突音が響く。身体と彫刻というフィジカルな方法を通して、命が世界とぶつかる感覚が立ち現れる。
二人の表現者にとって特別な土地・山梨での、稀有な舞台をぜひ「体験」しに行きたい。
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【Dance『彼岸より』田中泯|名和晃平】
公演日時_2024年1月10日(水)18:30開演、1月11日(木)13:30開演・18:30開演
会場_YCC県民文化ホール
住所_山梨県甲府市寿町26-1
チケット_一般4,000円、大学生3,000円、高校生以下2,000円
チケットぴあ、ローソンチケット、イープラス、UTYテレビ山梨、YCC県民文化ホールにて販売中。
*全席指定
*未就学児入場不可
Tel_055-232-1118(平日9:30〜18:30)
Text_Motoko KUROKI