社長・兆(岡田将生)に言えないことが増えていく文太(大泉洋)。四季(宮﨑あおい)との関係も、謎も深まっていく 『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第4話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
3話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
「ちょっとだけ最強」が破滅につながる?

社長・兆(岡田将生)に言えないことが増えていく文太(大泉洋)。四季(宮﨑あおい)との関係も、謎も深まっていく 『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第4話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
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*レビューはネタバレを含みます。
「人を愛してはならない」。ノナマーレが会社名として掲げているほどの絶対の掟。けれども、文太(大泉洋)はどんどん四季(宮﨑あおい)に惹かれていく。「誰かに見られてる気がする」と言っていた四季が市松(北村匠海)と出会い、たこ焼きパーティーに連れてくると、市松が四季をストーカーしているのではと疑う。そしてミッションでもないのに市松の通う大学に潜入、能力を使って彼を探る。今日が四季の誕生日という情報を得ると、ショッピングモールに駆け込み、あれこれとプレゼントを考える。けれど買うべきものがわからず、彼女のことを何も知らないと愕然とする。エスパーたちにとってはあまり歓迎できない存在である市松の登場によって、文太の四季への思いはより高まってしまったように見える。
四季を訪ねて勤務先のクリーニング店に姿を現した文太を、店主夫妻は「ぶんちゃん!」と歓迎する。よほど四季が普段から文太のことを話しているのか。1話で勤続年数を問われた四季が「2年くらい」と言っていた。クリーニング店で働くようになったのは、本物の夫との別離を経験した後のことで、この夫婦も文太を本当の夫だと思っているのか。だとしたら店主の妻の方が心の中で言った「もう奥さん泣かせちゃダメよ」の言葉は、何を指しているのか?
四季と横浜をデートする文太。お互いに自分が好きなものを言い合いながらぶらぶらと歩く。海、山、雨の日、雨上がりの匂い。お互いを知ることは、そのまま相手との関係を深めることにつながる。好きなものを知れば知るほど、その好きなものに遭遇する度に相手を思い出すようになっていく。
4話前半で、半蔵(宇野祥平)が「うちの子たち」も仲間も、仕事も、文太のことも「愛してる」と言った時、まだ文太はそれを本当には理解していなかったように見える。けれど終盤で彼は四季に向かって「愛してるよ」と言う。掟を破ってしまった彼は、一体どうなるのだろう。半蔵の周りへの愛は今のところ見過ごされているようだけれど、その愛とこの愛は違うものとされてしまうのだろうか。
Edit_Yukiko Arai