人の命がかかったミッションを遂行しようとする文太(大泉洋)たち。そこに市松(北村匠海)らが立ちはだかる……。『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第5話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
4話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
兆(岡田将生)は何故四季(宮﨑あおい)から身を隠しているのか

人の命がかかったミッションを遂行しようとする文太(大泉洋)たち。そこに市松(北村匠海)らが立ちはだかる……。『ちょっとだけエスパー』(テレビ朝日毎週火曜よる9時〜)第5話を、「物語」を愛するライター・青島せとかとイラストレーター・まつもとりえこが振り返ります。
4話レビューはコチラ。
*レビューはネタバレを含みます。
「ご当地イベントだと思ってたものが、世界を股にかけたビッグプロジェクトだった」
文太(大泉洋)のこの言葉は視聴者である私たちにも当てはまる。4話までは、なんだかんだほのぼの日常系エスパードラマとして受け取っていたら、急に「10年後に1万人が死ぬ」と大きな数字が伝えられて怯む。
「こんな大型案件、経験がない」
四季(宮﨑あおい)にバレないためとはいえ、人類の危機を「案件」と表現する文太。四季がエスパーを獲得してしまったこと、自分たちがエスパーであると知る若者・市松(北村匠海)が現れたこと。兆(岡田将生)に隠しごとが増えてきた中で、本当のことを伝えるかどうか「機嫌見て決めましょう」と仲間のエスパーたちに伝える文太。どこまでもサラリーマンな文太が面白い。
5話では円寂(高畑淳子)の過去が描かれた。不倫相手・結城(吉田鋼太郎!)に利用され、言われるがまま不正に手を染め、服役することになった円寂。出所後、ホームレスとして暮らしていた彼女の元を兆が訪れ、エスパーとなったのだという。第三の人生を、文太たちとの日々を感謝しながら過ごす円寂。しかし、文太を夫と信じ切っている四季の記憶と周囲との齟齬をごまかそうとする中で、彼女自身にもあやふやな部分が出てくる。エスパーであることが記憶に影響を及ぼす、あるいは兆が記憶を操っているという可能性はないだろうか? だとすると、四季が夫に対する記憶を誤って認識しているのも、もしかして事故のショックなどではなく、兆が故意に行っている可能性もあるのでは?
今回の終盤で、3話で四季が観た夢が、文太ではなく兆の顔で再生される。あの夢は3話のお祭りの爆発事故の予知夢などではなく、四季が目の前で見たという夫の事故現場だったらしい。そしてこの映像を見る限り、その夫は兆、なのだろうか。もしそうだとしたら、なぜ兆は四季から身を隠しているのだろう。
Edit_Yukiko Arai