🎨CULTURE
『The Tick/ティック 〜運命のスーパーヒーロー〜』ネットストレンジャーによる深夜動画便 Vol.3
よなよなネットの世界をパトロールするGINZA編集部のエンタメ好きライターが、寝る間を惜しんででも見たい作品をピックアップ!
マーベル作品をはじめ、私たちにとって、すっかり身近な存在となったアメリカンヒーロー。
その多くは、いかにも強そうだったり特殊能力がありそうな説得力のある格好をしているけど、Amazonプライムで配信中の『The Tick/ティック 〜運命のスーパーヒーロー〜』に出てくるティックは、ちょっと例外。お洒落なオープニングアニメーションとは裏腹に、ふざけているとしか思えないブルーの全身タイツ風のスーツをまとい、頭には触覚(ピクピクと動くのが気持ち悪い)。
それもそのはず、”Tick”とは”ダニ”の意味。でも、死ぬほど強いから笑えるのだ。そんなヒーローと出会うのは、ナードな雰囲気漂う会計士のアーサー・エベレスト。彼は、死んだと言われていた伝説の悪党・テラーが実は生きているいて、街を支配していることを知り、彼の陰謀を暴こうと奮闘。その最中でティックとコンビを組み、自身も蛾のスーツを身にまとって戦うことになる。
日本ではあまり知られていない作品だけど、94年にTVアニメシリーズ化され、01年には実写版シチュエーション・コメディとして放送されるなど、長年、愛されてきた。
もともと超人的なパワーを持ち、ポジティブで細かいことを気にしないティックと、映画『キック・アス』の主人公のように、本当は普通の市民でメンタルが弱いのに、ヒーローになったアーサー。この2人は、愛されるヒーローキャラのひな形なのかもしれない。
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重信綾
ライター。遅ればせながら、インド映画『バーフバリ』に夢中。
Illustration: Naoki Shoji Text: Aya Shigenobu