美術館やギャラリーで名画を眺めるのもいいけれど、 新しいコートやニットをワードローブに加えるように、 アートを所有してみるというのも、なかなか素敵なこと。 7人の女性に聞いた、大切な作品のストーリー。
点子さん(モデル・アーティスト)のお気に入りは「Magdalena Mitterhoferのステンドグラス etc.」 レディの私物アートVol.6

自分で描いたドローイング
左 「彼とロンドンに引っ越した時、毎月絵を描いて贈り合おうって話していたんです。続かなかったけど、これはその最初の1枚。普段あまり絵は描かないんですけどね」 右 「作品に『家』という字があるのは、彼女が美大の交換留学プログラムで日本に住んでいたことがあるから。どこに飾っても可愛くて、今は暖炉の跡に置いてます」(点子さん)
私が家に飾りたいなと思うのはいつも、友達だったり、知っている人の作ったもの。その方が作品のことをもっと好きになれるし、思い出や親しみを感じられる気がして。美術館にも行くし、好きな作家もたくさんいるんですけどね。右側は、パフォーマーやアーティストとして活動している友達のマグダレナ・ミッターホーファーさんが、私の18歳の誕生日に作ってくれたもの。ステンドグラスのような作りで、彼女から私へのメッセージが入った、パーソナルな作品。
もうひとつは、2015年の9月にボーイフレンドと一緒にロンドンへ引っ越した時に、私が彼の寝てるところを描いた絵。普段はあんまり自分の作品を飾らないんですが、しまってあったのを最近見つけました。描いてすぐ飾るのはちょっと恥ずかしいけど、これだけは3年前のものだし、アートとしてよりは、思い出のひとつとして飾ってるって感じ。眺めながら、ロンドンに来てもう3年経つんだなあと思ったり。今はシェアハウスに住んでいるから、こういう思い出の詰まった作品が自分の部屋にあると、すごくホッとするんです。お母さんも昔から一緒に作ったり、交換したりした友人の作品を飾っていて、小さい頃からそういうものに囲まれていたから、きっとそれに似ているのかもしれませんね。
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モデル、アーティスト<br /> 点子
ドイツ出身。現在はロンドン在住。母はアーティストの花代。
Photo: Tenko Text: Satoko Shibahara