編集者・ライター 渡部かおり(以後、渡部):ものすごく共感する質問です。私もクロエ・セヴィニーが確固たる意志で続ける”大人のガーリー”スタイルに憧れる一人。30代、40代のガーリーファッションって、スイートではなくて、もはやかっこいいものだと思うんです。もしかしたらパンクの領域に食い込むほどのかっこよさ。だから本当はちょい足しなんてせずに、もう堂々とフリルやレースたっぷりのドレスを着てほしいのですが、勇気がいるという気持ちも分かります。
GINZA:すでに自分の定番スタイルを持つ大人だからこそ、なかなか一歩を踏み出せないですよね。
スタイリスト 早川すみれ:今年は花柄やボリューム袖のトップスなど、ガーリーなアイテムが豊作なんです。トップスかボトムス、まずはどちらか片方から取り入れれば抵抗感も下がるかもしれません。お手元のトレーナーやアノラックパーカ、スニーカーに<ガニ―>や<ナンバーシックスストア>、<バウム・ウンド・ヘルガーデン>の花柄フレアスカートを合わせたり、<セシリー バンセン>や、<ホラー ヴァキュイ>のボリューム袖のトップスに手持ちのベーシックなセンタープレスのスラックスを履いてみるなんていかがでしょうか?
GINZA:<ガニー>はワンピースもかわいいですよね。クローゼットスナップ号(ISSUE 265)で山野邉彩美さんが紹介しているのを見てからずっと気になっていました。
スタイリスト 榊原優佳(以後、榊原):あと、ここ数シーズン間違いなくおすすめなのが<トリー バーチ>です。花柄のハンカチをつなぎあわせたようなドレス、キラキラのバレッタ……どれもとんでもなくロマンチックでかわいい。けれど、品のよさは保っているのでまさに、大人のガーリーにぴったりです。
渡部:いつもの格好に「ちょい足し」するなら、<セシリー バンセン>の透ける黒のスリップドレスはどうでしょう。私は、ストリートブランド<パレス>のボーダーTシャツにブラックデニム、<VANS>のスニーカーというカジュアルな格好にこのスリップドレスを重ねて、ガーリー気分を謳歌しています。なにせいつもの格好に重ねるだけなので、痛い目でも見られず(まあ、見られたっていいのですが)、新鮮なスタイリングに仕上がって大満足ですよ。
GINZA:一枚プラスするだけで気分が変わりますね! <セシリー バンセン>のレイヤードコーデはこちらの記事でも紹介しています。
榊原:クロエ・セヴィニーやアレクサ・チャンの着こなしがお好きなら、まずはヴィンテージのブラウスを一枚買ってみてはどうですか? デニムに合わせるだけでかわいいですよ。代官山のヴィンテージショップ<ジャンヌ・バレ>なら、古いアイテムも良心的な価格で購入できます。
スタイリスト 木村舞子:私もまずは今の洋服に一点投入するのがおすすめです。私自身のファッションはガーリーとは程遠いのですが、ハイウエストのジーンズに合わせて少しフェミニンなブラウスなどはよく着ます。素材感が大人っぽいものやディテールが華美になりすぎないものであれば、挑戦しやすいのではないでしょうか。
GINZA:洋服以外のアイテムで一点投入するならいかがですか?
榊原:<クロエ>のアクセサリーなんてどうですか? 5万円前後で買えるものが揃っていて、大人っぽいのにガーリー。シンプルなスタイルにプラスしてあげても素敵です。
GINZA:”ガーリー成分”を気軽に摂取できるアイテムが、こんなにたくさんあるなんて! なんだか希望が持てました。
渡部:私の連載でもまさにこのテーマ(大人かわいい)を掘り下げています。よろしければあわせてどうぞ!