もの選びひとつにも独自のセンスや嗜好があふれている、男の愛用品。私たちが取り入れるうえでのアドバイスも聞いてみた。#ファッションのプロが愛用するアイテム
〈N.ハリウッド〉デザイナー/尾花大輔はリストウォッチの替えベルト。ファッションのプロが愛用するアイテム vol.1

リストウォッチの替えベルト
尾花大輔
〈N.ハリウッド〉デザイナー
ラバーやナイロンなど、素材はさまざま。時計専門店だけでなく、今ではウェブやオークションサイトでも掘り出しものが見つかる。
手持ちの時計を、自分らしくアレンジする
10代の頃からヴィンテージにのめり込んできた尾花さんが、大人になった今も日常的に楽しんでいるのが、手持ちの腕時計に替えのベルトを装着するアレンジ術。
「1970〜80年代のさまざまな腕時計の替えベルトを中心に収集して、今では50本ほど所有しています。時計を丸っと1本買い替えなくても、ベルトを付け替えるだけで、いつもとは違う新鮮な気分で過ごせます」と、まだ女性にはなじみがないテクニックを披露。これならコスパも良く、おしゃれの幅が広がりそうだ。
「ここに並べたベルトは、どれも町の時計店やオークションで購入したものです。“時計”は文字通り、古くは時間を記すことしかできない道具だったため、当時のベルトには、温度計や方位磁石、カレンダーなど、用途や職種に合わせたさまざまな機能が搭載されています。そこも、この年代のベルトの面白いところ」と、時計の歴史にも触れられる。
「これだけ数があっても、実際に付け替えるのは年に何度かです」と、気に入ったものをとことんヘビロテする漢らしい嗜好を持つ。その日の気分で身につけるものを変えたりする女性の方が、むしろのめり込むテクニックかもしれない。気負わずに、挑戦したい!
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尾花大輔
1974年神奈川県生まれ。古着店でキャリアをスタートし、ショップマネージャー、バイヤーを経験。2001年〈N.ハリウッド〉を設立。10年からNYでコレクションを発表。
Illustration: Tatsuya Koiso Text: Keiichiro Miyata