ロンドン発のGINZA注目ブランド〈TOOGOOD〉が〈ARTS & SCIENCE〉とコラボ。イベント『THE FORAGER』を東京・京都で開催

〈TOOGOOD〉は、インテリアデザイナーの姉Fayeとパタンナーである妹EricaのToogood姉妹が立ち上げたブランド。いわゆるファッションデザイナーとは異なる経歴を持つ彼女たちは、業界の常識にとらわれず、食や音楽など様々なメディアをミックスさせながら、ファッションともアートとも言えるような独自の活動を展開している。

〈ARTS& SCIENCE〉との交流は2014年AWからすでに始まっていたが、テーマを設定してコレクションとインスタレーションを発表するのはこれが初めてのこと。

今回のテーマ「THE FORAGER（フォレジャー）」とは、”世界中の美しい品々を集めて回る旅人”という意味。〈A&S〉のクリエイティブディレクター、ソニアパークと話をする中で、何かをコレクションすることが好きだという互いの共通項を見つけて、このテーマを設定したそう。 20171021-DSC00463

新作「THE FORAGER」

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今回のコレクションの中で最も個性的な形のジレ。服の重みを軽減するために背中の部分が大きくカットされている

〈TOOGOOD〉がデザインし、A&Sの生地で仕立てた新作「フォレジャースーツ」は、ジレ、チュニック、トラウザーからなる。まるで「着る鞄」のようにポケットがたくさんあるのは、蒐集したものを持ち歩くためだそう。ポケットの一部は取り外し、ポーチとしても利用できる。

〈TOOGOOD〉のクリエイティブディレクターJAN ROSEは、フォレジャーについてこう説明する。

「フォレジャーが集めるものは高値のものから道端で拾ったようなものまでさまざま。新しいもの、アンティーク、小さなもの、大きなものなど、あらゆるものが蒐集者によって結び付けられ、新しい価値を持ちます」。

日本でいうと「数寄者」のような存在なのかもしれない。展示スペースには、フォレジャースーツのほかに、Toogood姉妹の蒐集品やFayeデザインの家具コレクションから「Roly Poly」シリーズのチェアとスツール、江戸時代の屏風にインスパイアされた壁紙「CALICO WALLPAPER」などが空間を彩る。

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ギャラリーではToogood姉妹が蒐集した品も販売している。東京でのインスタレーションは、京都とはまた違った趣になるそう

姉妹の父親の趣味バードウォッチングを想起させる小物、イギリスの民俗舞踏モリスダンスのベルト、生まれ故郷の田舎Rutlandの自然を描いた壁紙......。
一つ一つの品々に込められたストーリーを知れば、二人が子ども時代を過ごした異国の情景が目に浮かぶよう。いつの間にか、どっぷりその世界観に引き込まれている。これが、〈TOOGOOD〉というブランドの力なのかもしれない。

ただ「服を買う」だけではなく、作り手の哲学や服の背景にあるストーリーに触れた上で服を選んでみたいという方。まずはアートギャラリーに行くような気持ちで、足を運んでみてほしい。

TOOGOOD

トゥーグッド姉妹によって立ち上げられたロンドン発のブランド。インテリアデザイナーとして活躍する姉のフェイと、サヴィルロウにてパタンナーとしての経験を経て、数多くのオーダーメイドを仕立ててきた妹のエリカ。彼女たちが作りだすアイテムは、大胆なフォルムと実用美を兼ね備え、独自の世界観を作り上げている。