サステナブル・フードトラック「edain」を運営したり、今年の9月には「tefutefu,Inc.」を立ち上げるなど、地球環境や日本の文化を守るための活動を、日頃から積極的に行なっている人気モデル、森 星さんと「だれにでもできる、身近なサステナブル」について考えてみるこの連載。旬の食材を無駄なく、おいしく使いきるレシピを料理研究家の有元葉子先生に教わります。
森 星 × 旬の野菜 「半径5mのサステナブル」 VOL.8 さつまいもをスタイリッシュに味わう簡単レシピ 「さつまいもとセージのフリット」「さつまいものフォカッチャ」

ナチュラルにハッピーに──明るい未来を目指してサステナブルと向き合う、森 星さんと有元葉子先生のセッション第8回目。今回はホクホクとした甘さが魅力の、さつまいもがテーマです。シンプルで洗練された料理はもちろん、哲学のある考え方、生き方にもファンが多い有元葉子先生から教わる、旬のさつまいもをスタイリッシュに使いきるレシピ。簡単&おいしいのでどうぞお試しあれ。
今回の食材はコレ!
さつまいも
森 星「今日は石川県能登島のさつまいもをお持ちしました!最近、日本の伝統工芸やアグリカルチャーなどの魅力を、今の時代に合うように再編集して伝えていく〈tefutefu〉というプロジェクトを立ち上げまして。そこでご縁のあったタカ農園さんから譲っていただいたものなんです」
有元葉子「あら、そうなの!興味深い試みね。それに、このさつまいも、とってもおいしそう」
森 星「わー、よかった!“能登金時“という種類なんです」
有元葉子「そうなの。ちなみに、さつまいもは切りにくいぐらい固いほうがおいしいので、皮にツヤがあって、ずっしりと重いものを選びましょう」
森 星「そうなんですね。さつまいもは大好きなのですが、調理が大変なイメージがあって…」
有元葉子「アク抜きさえしっかりすれば、皮ごと食べられるしとっても簡単よ。塩気を効かせるとさつまいもの甘みが引き立っておいしくなります。それから、ハーブとの相性がとってもいいので、今日はハーブを使いましょう」
森 星「わ、それ最高ですね!今日もよろしくお願いします!」
レシピ1
さつまいもとセージのフリット
スティック状にして薄い衣をまとわせて揚げたさつまいもは、表面はカリッ、内側はほっくり、大人から子供まで喜ぶ味わい。セージを合わせることで、スタイリッシュなひと皿に!
<材料>
・さつまいも…適量
・卵白…1個分
・薄力粉…適量
・セージ…適量
・油…適量
・粗塩…適量
<作り方>
さつまいもを切ってアクを抜く
①さつまいもは両端を切り落としたら、皮付きのまま1cm幅の棒状に切る。水にさらしてアクを抜く(水がグレーになるぐらいが目安)。1本ずつ、キッチンペーパーでしっかりと水気をふきとる。
衣をつけて揚げる
②ボウルに卵白を割り入れる。①を入れて、全体にまんべんなく卵白がつくように手で混ぜる。バットなどの上に重ならないように並べて、薄力粉をむらなくつける。
③②の卵白の入ったボウルに、セージの葉(水気がある場合はしっかりふきとる)を入れ、全体にまんべんなくつける。さつまいもと同じ要領で薄力粉をつける。
④鍋に油を入れて、あまり熱くない温度(150度ぐらい、菜箸を入れると箸先からじわじわと泡が上がってくる程度)に熱する。セージを入れて表面がカリッとするまで、弱めの火でじっくりと揚げる。次にさつまいもを入れて、同じようにじっくりと揚げる。竹串がすっと刺されば中まで火が通った合図。一度さつまいもを鍋からあげておき、強火にして油を高温に。最後にさっと揚げるとカリッと仕上がる。
⑤油をきって器に盛り、塩をふる。
POINT
レシピ2
さつまいものフォカッチャ
さっくり、モチっとした手作りフォカッチャと、塩気を効かせたさつまいものコンビネーションは、幸せになる味わい。ローズマリーの洒落た風味をアクセントに。
<材料>
・さつまいも…1本
・強力粉…150g
・薄力粉…150g
・ドライイースト…4.5g
・砂糖…3つまみ
・塩…ひとつまみ
・水…1カップ程度
・オリーブオイル…適量
・粗塩…適量
・ローズマリー…適量
<作り方>
生地を一次発酵させる
①強力粉、薄力粉、ドライイースト、砂糖、塩をフードプロセッサー(こねる用の刃を使用)で混ぜる。フードプロセッサーがない場合はそれぞれふるって混ぜる。
②①をフードプロセッサーで攪拌しながら、水を少しずつ加える。全体がまとまって、ゴトゴトとした音に変わったら取り出す。フードプロセッサーがない場合は、水を加えながら手でよくこねてひとかたまりにする。まな板などに強力粉を敷き、生地を取り出して、表面がなめらかになるように丸く整える。ボウルに入れてラップなどで蓋をして、オーブンの発酵モードで、30度、1時間ほど発酵させる(一次発酵)。
さつまいもをさっとゆでる
③さつまいもは両端を切り落とし、皮付きのまま1cm角に切って、水にさらしてアク抜きをする。水からさっとゆでて、水に浸しておく(変色防止のため)。
生地を二次発酵させて焼く
④②の生地(3倍ぐらいに膨らんでいる状態)をゴムベラなどで強力粉を敷いた台の上に取り出し、握りこぶしで軽く押してガスを抜く。軽く伸ばして一度折りたたみ、丸く成形する。1.5cm厚さの円形に伸ばし、オリーブオイルをたっぷり敷いたフライパンに入れる (型はオーブンで使用できるもの&ある程度深さのあるものなら、なんでもOK。型に合わせて成形する)。オーブンの発酵モードで、30〜35度、30分ほど発酵させる(二次発酵)。③のさつまいもは、水気をしっかりふいておく。
⑤④を取り出し、オーブンを200度に温めておく。生地の表面に指でくぼみをつくる。オリーブオイルをくぼみめがけてたっぷりとまわしかけ、全体に粗塩をふる。さつまいもをのせて、ローズマリーの葉を散らす。オーブンで様子を見ながら30分ほど焼く。こんがりと焼けたら、取り出して好みの大きさにカットする。塩気が足りなければ、塩をふる。
POINT
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森星
1992年生まれ。東京都出身。モデルとして国内外で数々のファッション誌や広告などで活躍。明るく天真爛漫なキャラクターで2015年から「公益財団法人プラン·インターナショナル·ジャパン」のアンバサダーに就任。また、発酵人の田上彩氏らとともにサステナブル・フードトラック「edain」を運営。「farm to table(新鮮でオーガニックな食材を、農場から食卓へ)」をテーマに、体にも環境にも優しい食を提供している。また、今年の9月には、日本の伝統工芸やアグリカルチャーなど、継承されてきた日本文化をデザインの力で再編集し、今の時代に合ったかたちで伝えていく「tefutefu,Inc.」を設立。公式You Tubeチャンネル『Hikari Mori』では、自身の見ている世界・価値観をシェアするための、さまざまなコンテンツを配信。
Instagram:
@hikari
@tefutefulab
YouTube:『Hikari Mori』
tefutefu HP: tefutefulab.com
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有元葉子
料理研究家。3人の娘を育てた専業主婦時代に、家族のために作る料理が評判となり、料理家の道へ。素材の魅力を引き出したシンプルでおいしい料理、洗練されたライフスタイル…。本質を見極めた軽やかな生き方は、多くの女性の憧れの的。著書に『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(SBクリエイティブ)、『「使いきる。」レシピ』(講談社)など多数。
公式サイト: https://www.arimotoyoko.com/
Instagram: @arimotoyokocom