もし、3つの願いが叶うなら?
アラビアンナイトの昔から繰り返されている問いかけです。
お金持ちになりたい、絶世の美人になりたい、永遠の命を得たい……、パッと頭に浮かぶ願望をストレートに言う人は少数派でしょう。
なにしろ、私たちは、「何を願うか、よく考えなさい」という教育を受けています。ホラー短編集『猿の手』を読んだ時のぞっとした感覚が体の奥に染みこんでいて、無邪気な望みを口に出せなくなってしまっているのです。
3というのは不思議な数字で、いくつかの教訓的な物語の中では、3つ目の願いは打ち消しに使われたりします。全部なかったことに。欲望や願望が求めたことに、理性がストップをかけるパターンは、非常によく見られます。
なんとなく、この感じ、今の時代に似ている気がするんですよね。いろいろ欲しい物を言ってみた、求めてみたけれど、「やっぱり、そっちじゃなかった」って。
かなり大事なターニングポイントにいる気がします。