──以前、『アメトーーク』の「オシャレって何なの芸人」に出られていましたが、服についてはどんな考えをおもちなんですか?
「僕、高い服が買えないんですよ。Tシャツなら3000円台、シャツで6000円台までですね。それを超えると『もったいない』と思ってしまって。金額的には買えるんですけど、昔の金銭感覚がずっと残ってるんですよね。(目の前に開かれたGINZAを見て)えっ、バッグで50万!?」
──まあ、ハイブランドなので……。
「袋でいいんじゃないですか(笑)!?」
──(笑)。ちなみに今日の服はいくらくらい?
「上の服はもらい物、中に着てるのはイオンで買った部屋着です。ズボンが6000円くらいかな……靴は嫁さんがネットで買ってくるんですよ。たぶん1万円くらい。だから、全部でだいたい2万円だと思います」
──お金をかけている趣味は?
「ゲーム&ウオッチやフィギュアが好きで集めてたんですけど、もう集まっちゃったんですよ(笑)。あと、これは趣味といえるかどうかわからないですけど、時間があいたときには秋葉原に行って、全部の価格を見てますね」
──好みに関係なく全部?
「SDカードとかパソコンとか……買わないんですけどね。『ハードディスク、最近安くなったなあ』とか。あと、レンタルショーケースのお店をのぞいて『こんなものでお金を稼ごうとしている人がいるのか……』と思いながら帰るという(笑)。秋葉原はよく行きますね。一番楽しいかもしれない」
──この春で東京進出10年目ですが、振り返ってみてどうですか?
「10年前は、相方(華丸)が行きたいと言うので上京したんですけど、僕は嫌だったんですよ。『売れるわけない』と思ってたから。でも上京した年に、相方がとんねるずさんの番組で(児玉清の物まねで)売れたので、そこからは順調に来てると思います。いま、レギュラーが10何本もあるんですけど、たぶん皆さんにはあまり知られてないですよね?」
──そんなに多かったとは……。
「知られてないということは、うまいことコソコソやれてるんだなと(笑)。でも、こんな異常な時期は長くは続かないですよ。もし周囲が続けさせてくれたとしても、体のほうがもたないでしょうし。『この状況でちゃんとやれるのは1、2年しかない』と思ってますね。だから今はとりあえず突っ走るしかない……いまカッコいいこと言いましたけど、自分が大吉であることを忘れてましたね、すみません(笑)」
──では、大吉さんの考える「理想的な仕事のペース」とは?
「コンビで『アメトーーク』を年4回、『タモリ倶楽部』を年2回、あとは劇場と営業の仕事。『アメトーーク』は影響力のある番組ですし、『タモリ倶楽部』は時間差で全国放送されてて、地方局の人がよく見てるんですよ」
──回答がやたら具体的ですね。
「すみませんね、夢のない話で(笑)」
──でも、その「夢のなさ」が大吉さんらしいですけど。
「いろいろ見てきましたからね。頑張りすぎて息切れする人とか。やっぱり、『飽きられたらどうするんだ』というのが常にあるんですよ。僕ら長いことやってるので、引き出しがだいぶ空っぽなんですよね。相方の物まねのレパートリーだって、川平慈英さんと児玉清さんの2個だけですから(笑)。それだけで10年くらいやってるんですよ。そろそろこの単純な手品のトリックもバレかけているので(笑)、今年は新しいトリックを考えていこうと思います」