途中感あるオープンマインドな家
吉田あい
建築家
吉田州一郎
建築家
建築家の夫妻が選んだ土地は、都心の一等地にある狭小物件。設計するにあたり、自宅ではない何かを足したいと、自らの仕事場も含めたシェアオフィスを盛り込んだ。半地下から3階までがゆるやかにつながり、どこか人懐っこい楽しさがある。光を取り込み狭く感じさせない工夫は腕の見せ所。たとえば、階段は最低限のステップだけで、上下のフロアを覗けるほど圧迫感がない。
「寝室や浴室のある3階通路の床はルーバーに。天井からの光を下の階に届けています」(州一郎さん)
とくに印象的なのは、天井高4mほどのリビングから見たキッチン。スパっと輪切りにしたように構造が一目瞭然!重ねた屋根裏風ロフトは、小学生の息子の遊び場に。
「夫が得意とする鉄骨をむき出しで使い、構造の下地用の合板を塗装もせずにそのまま表に。建てている途中感覚です。骨格は大事だから、骨は作る。けれど、肉づけには自由度があって、変化に対応できる流動的な部分があるのが家としておもしろいと思うんです」(あいさん)