働く自分が誇り。でもときどき体と心が息切れするときも……。 そんな頑張り屋こそフィト・セラピー(植物療法)に頼ってみない? 「塗る・飲む・嗅ぐ」という3つのアプローチで 体と心を健やかに、美しく導くBioなお手当てレッスン。
働く私を慈しむフィト・セラピー〔LESSON 5〕疲れを見せず、きれいでいたい -コラム編-

LESSON 5
疲れを見せず、きれいでいたい
-コラム編-
シャツ ¥77,000(クラウディア リー | インターナショナルギャラリービームス )/ビスチェ ¥42,000(マルケス アルメイダ | スーパー エー マーケット)
現代女性を襲う、3つのブス注意報!
① スマホブス
たるみ・シミ・猫背にも
電車や駅でふと周りを見渡すと、ほとんどの人がスマホに夢中。ギンザ読者も思い当たるのでは。スマホの見過ぎはビューティ面でも悪影響。「画面のブルーライトは肌のハリ組織にダメージをもたらしますし、紫外線同様にシミのもととなるともいわれます。うつむきがちの姿勢で顔がたるんで、法令線やたるみ、毛穴が目立つように。首の骨が歪んで肩こりや腰痛、猫背の元にも」(松村先生)。SNSに振り回されている人も含め、皆スマホブス。
② トントンブス
肩がこる人はおでこにもシワが!?
しょっちゅう肩に手を伸ばし、トントン&モミモミしている女性もあちこちに。肩や首のコリは、実は頭皮のコリからきていることが少なくない。「特に神経を使うデスクワークの人にその傾向が。頭を使うほど頭皮が緊張し、固くこわばっていき、つながっている肩や首も固くなるのです」(森田さん)。もちろん顔も一枚皮。いつも肩を気にかけている人は、ほぼ間違いなくおでこにシワが。心当たりがある人は、肩の前に頭皮をほぐして。
③ ダイエットブス
心もきれいにならなきゃ意味がない!
はやりの糖質制限はストイックにハマるべからず。「脳の唯一のエネルギー源である糖が欠乏すると、脳がストレス状態に。自律神経が乱れて代謝が落ち、イライラや食欲が増して思考や判断力も鈍ります」(森田さん)。痩せたけれど脳が飢餓状態で心がピリピリ。きれいになるためのダイエットなのに、それって全然美しくない。「食事の炭水化物は極端にカットせず、玄米などを適量食べる“ゆる糖質オフ”が理想」(松村先生)
男性ホルモンが活性化して フェイスラインのニキビが増える
働く女子に多いのがニキビや吹き出物の悩み。10代の頃は無縁だったのに……という人も少なくない。「特にあごやフェイスラインに多発している場合は、ストレスでホルモンバランスが乱れ、男性ホルモンが活性化したことが関係。男性ホルモンの影響は男性のヒゲや体毛が濃い部分に現れるので、胸元にも出る可能性があります」(松村先生)。「顔全体は乾燥してバリア機能も弱りがち。ニキビは乾燥で悪化するので、しっかりと洗った後はきちんと保湿ケアを。肌あれしているときは防腐剤まで自然由来の低刺激なアイテムがベター」(柏谷さん)
意外と多い? 若いのに抜け毛、薄毛!
20〜30代でも、抜け毛や薄毛に悩む女性も。これもオス化のいち現象。「ストレスで自律神経が乱れると、血行不良やホルモンのアンバランスで髪にも悪影響が。頭皮は自分で動かせないので固くこわばりやすく、女性ホルモンのエストロゲンは髪の健康にも関わります」(松村先生)。「美髪のための植物はスギナや高麗人参。スギナはお茶で飲むほか、粉にしてサラダにかけるなど直接食べるのも効果的。また、頭皮もマッサージして柔らかくキープ。毎晩のシャンプー時やお風呂上がりに行う習慣をつけたいですね」(森田さん)
すえたような加齢臭は おじさんだけにあらず
時間に追われて焦っていたら、顔が皮脂でベタベ
タ……という経験はない? この、緊張状態で出る汗に混じった皮脂は男性ホルモンによるもの。それがさらに酸化することで、いわゆる加齢臭に。「実は女性ホルモンには抗酸化作用があリます。ホルモンバランスが崩れると、女性ホルモンの抗酸化作用が発揮されにくくなることも。単なる汗の匂いではなく、脂っぽい匂いがするようになったらオス化のサイン」(松村先生)。添加物の多い食べ物や喫煙、アルコールも活性酸素を増やす。
お話を聞いた方
松村圭子先生≫婦人科医。成城松村クリニック院長。女性を応援する目線での丁寧な診療に信頼が厚く、TVや雑誌、webメディアでも活躍。『美人ホルモン講座』(永岡書店)など著書多数。
森田敦子さん≫日本の植物療法の第一人者。航空会社勤務ののち渡仏して植物療法を学び、スクールや自身のブランドを立ち上げる。6月下旬に『潤うからだ(仮)』(ワニブックス)を上梓予定。
柏谷麻夕子さん≫美容ライター。PMSをハーブ療法で克服したことをきっかけに植物療法士に。メノポーズ(更年期)カウンセラーの資格ももち、自然療法と現代医療、両方での女性ケアを発信。
Photo: Rie Suzuki (model), Akiko Mizuno (product)
Styling: Michiko Yuasa
Hair&Make-up: Takae Kamikawa (mod’s hair)
Model: Nastya
Illustration: miyatachika
Text&Edit: Mayuko Kashiwaya