近年、新しい観光のカタチとして注目を集めている「インフラツーリズム」。その名の通り、ダムや橋、トンネルなど社会インフラを対象とした観光が今、東京でも大人気なのだとか。私たちの暮らしを支えるインフラを知れば、東京の街が何倍も面白くなるはず!
東京の道路交通網を網羅したモニターは圧巻!【東京インフラツーリズム】

警視庁 交通管制センター at新橋
東京タワーに近い御成門。警視庁交通管制センターでは24時間365日、都内の一般道と高速道路、そこに接続する道路の状況をくまなくチェックし、道路交通に関する情報の収集や提供、分析を行っている。
施設に入るとすぐに大型表示板があって、東京の道路交通網がすべてリアルタイムで表示されている様子は圧巻!ガラス1枚隔てた向こう側では4名の警察官たちが大型表示板を見ながら動き回っていて、今まさに発生中の事故情報を収集したり、各所に伝達したりしているとのことで、すごいライブ感だ。3枚ある大型表示板のうち、中央のものは都内の一般道。そのうち、オレンジ色になっている部分は時速20km以下の渋滞が発生している箇所で、赤色はさらにひどい渋滞。ところどころに出現する黄色いマークは工事中の箇所、赤いマークは事故による規制がかかっている箇所ということで、刻一刻と変化していく道路状況は、ひとつの生命体みたいだ。
そしてその巨大生命体の命を司っているのがこの場所であり、ここで働く警察官たち。渋滞が発生している場所では信号機の間隔を手動で調節して車の流れをよくしつつ、渋滞情報を各ラジオ放送局に伝えることで、ドライバーに迂回を促す。渋滞発生と同時にいくつもの対策や情報提供を瞬時に行うことで、安全かつ快適な道路環境を作っているのだ。また道路上に設置した車両感知器を使い、交通量に応じた適切な信号秒数を自動的に生成するシステムも導入。さらに専用の機器を搭載した公共用車両が通行すると感知器が作動し、周辺の信号が青になる仕組みを作り、公共用車両の優先的な走行をサポートすることで渋滞緩和に一役買っているのだとか。
人の目と手、そしてコンピュータの力を合わせて東京の道路交通網を健康に保ってくれている交通管制センター。何気なく走っている道路の裏で人知れず街を見守るその姿に、ただただ頭が下がるのだった。
センターがあるのは愛宕警察署の隣。予約すれば誰でも見学できるというのにびっくり。
見学スペースには信号機の実物や道路に設置されている車両感知器が展示されている。写真撮影もOK。
大型表示板には都内各地に設置されたライブカメラの映像が。事故発生時は即座に現場の様子を確認する。
見学スペースと管制センターはガラス1枚隔てた距離。声は聞こえないが、緊迫感が伝わってくる。
東日本大震災時の都内の道路状況。ほとんどすべての道路が大渋滞で、不眠不休の対策が行われたそう。
場所: 警視庁新橋庁舎2F東京都港区新橋6-18-8
開催日: 毎週月〜金曜日(祝休日・年末年始のぞく)
開催時間: 予約時に確認(所要時間は50分程度)
料金: 無料
申し込み方法: 要電話予約。
電話番号:03-5402-1386(2カ月前の同日から前日まで受付)
Photo: Masanori Ikeda Text: Yuriko Kobayashi