昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店をイメージして聴きたくなる80年代の名曲を、80s好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.2は大岡山の小さな路地にある「伊藤珈琲店」。前回訪れたのは中板橋「白鳥」。
80年代好きライターの純喫茶巡りVol.2 大岡山「伊藤珈琲店」でクラシックと花を愛でる

大岡山「伊藤珈琲店」
昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店をイメージして聴きたくなる80年代の名曲を、80s好きライターの水原空気がレコメンドします。Vol.2は大岡山の小さな路地にある「伊藤珈琲店」。
華やかなカップが飾られたカウンター。内装は全て1978年の開店当時に、マダムのお父様が内装職人の方と相談しながら作ったオリジナルスタイル。店内には心地よいボリュームでクラシックが流れる。
窓辺にはいつも生き生きとした生花が。この日はアマリリスとトルコ桔梗がひっそりと。
厚切りのバタートーストでコーヒーブレイク。食べるたびに見えてくるお皿の柄もお見逃しなく。
イタリア製の陶器の花時計は、オープン当初にマダムが購入したもの。時計は喫茶店に欠かせないものの一つだけれど、たおやかなカーブと可愛らしい存在感が、こちらのお店を象徴。インテリアの随所にマダムの人柄が見え隠れする。
マダムに音楽の話を聞いたら、「今年の夏は暑かったから吹奏楽を聴いていたんです。クラシックは寒い街出身の作曲家が多いから夏は不思議と暑く感じるから(笑)。ドボルザークはプラハの北、ショパンはワルシャワかしら。吹奏楽は涼しげね。歌謡曲なら松田聖子さんがいいですね。クラシックを好きな人もデザートのように最後に聖子さんを聴く人が多いのよ」
クラシックファンも認める聖子さん、すごい。
この店の帰り道に聴きたい80年代の名曲
「ピンクのモーツァルト」
松田聖子
今回のオススメ80sソングは松田聖子さんの一曲。花のモチーフが多いから「赤いスイートピー」かなと思ったけど。ここは「ピンクのモーツァルト」を。お店ではマダムとの会話を楽しんで、帰り道にぜひ。
コーヒー豆は山口県萩市の長屋門珈琲から。南千住の「カフェ・バッハ」で修行していた方の焙煎。かつて、こちらのお店を手伝っていたこともあるそう。
バッハはどこの出身?モーツァルトは?マダムとの楽しい会話はまだまだ続き、新たな好奇心のドアが開いた午後。
やっぱり喫茶店はこうでないと。
水原空気のこぼれ話
バッハはドイツのアイゼナハ出身。モーツァルトはドイツのザルツブルク出身。クラシックはiTunesなどでも配信があるので、この機会にぜひ聴いてみたい。「新世紀エヴァンゲリオン」などアニメや映画で使用されておなじみの曲もあるので意外と知ってる曲が多数。
「伊藤珈琲店」
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水原空気
80年代好きライター。夏の扉を開け秘密の花園へ時をかける探偵物語。GINZAウェブ「松田聖子の80年代伝説」でインタビュアーも。