2023年11月23日(木・祝)から4日間、「東京都現代美術館」にて『東京アートブックフェア2023』が開催される。独創的なアートブックを制作する出版社やアーティストらが集まる本イベント。国内外から約200組が参加した昨年から、さらにパワーアップし、今年は作り手約300組が一堂に。企画展やトークショーなどを通し、アートブックの魅力を最大限にアピール!
『東京アートブックフェア』が今年もやってくる!
約300組が集結するほか、「清里現代美術館」の旧蔵品やトーマス・コンの遺作も必見
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さまざまなプログラムが展開されるなかで、まず注目したいのは、『東京アートブックフェア』が企画した2つの展覧会だ。
1つは『清里現代美術館 アーカイヴプロジェクト展』。「清里現代美術館」とは、現代美術家ヨーゼフ・ボイスや画家アーノルフ・ライナー、前衛芸術運動のフルクサスの作品を中心に蒐集を行なっていた個人美術館。2014年に閉館したものの、昨年9月より、これまで所有していた美術を書籍や資料にまとめて出版するプロジェクトがスタート。そこで本展では、清里現代美術館旧蔵のコレクションの一部を展示する。同館の感性に再び触れることができる、貴重な機会となるはずだ。
もう1つの企画展は『Thomas Kong “ARTS FOR SALE”』。シカゴ郊外で小さなコンビニエンスストアを営んでいたトーマス・コンは、店内に装飾を施そうと、お菓子の包み紙や雑誌の切り抜きなど、身近なものを使い、コラージュによって店内は埋め尽くされ、いつしか店自体がアート作品として耳目を集めるように。今年5月に他界したコン。彼の遺した作品群の一部やアーカイヴ資料が本展にやってくる。
続いて、会場で覗きたいのは、ブランドや企業が制作したアートブックを紹介する3つのブース。
スキン&マインドブランド〈バウム〉のブースに登場するのは、本展のために制作した小冊子『Trees: Five Perspectives』だ。樹木の恵みに着目するブランドであることから、樹木から受け取った感性を作品づくりに生かすアーティスト5名にフォーカスし、彼らの作品を1冊のZINEにまとめた。
昨年に続いて、資生堂の企業文化誌『花椿』のブースでは、バックナンバーを創刊号から振り返り、その中から、今日においても伝えるべき価値を探求したタブロイドを配布。この特別版『花椿』は、ファッションエディター、エリス・バイ・オルセンとともに制作されたもの。オルセンがファッションリサーチ国際図書館のディレクターを務めることから、ブースでは同図書館の雰囲気が再現される。
〈ニューバランス〉の日米デザインメンバーが手がける〈東京デザインスタジオ ニューバランス〉もブースを出展。スタジオチームが制作を行う際にインスパイアされた物やコトを紹介するフリーマガジン『NOT FAR』の最新号を配布する。
今回は「東京都現代美術館」だけでなく、街全体が盛り上がるイベントが多数開催される。『NEIGHBOURS』企画では、周辺施設の周遊も楽しめるように、エリアマップが作成され、トーベ・ヤンソン作品や北欧発ドキュメンタリー映画をミニシアター「ストレンジャー」で上映する『北欧映画祭〜Nordic perspective〜』があるので、ブックフェア会場外もぜひ回ってみてほしい。なお、スムーズな周遊散歩のため、自転車のフリーレンタルサービス〈トーキョーバイク〉が協力。ぜひ、おしゃれなシティバイクの活用を。
1つの国や地域に焦点を当て、その土地の出版文化を紹介する人気企画『ゲストカントリー』は、今年は北欧5カ国の特集に決定。その各国の出版文化を紹介していく。ワークショップやライブパフォーマンスなどの情報も随時更新されるとのことなので、ウェブサイトやSNSのチェックを欠かさずに!
ℹ️
【東京アートブックフェア2023】
会期_2023年11月23日(木・祝)〜26日(日)
時間_11:00〜19:00
*11月23日(木・祝)12:00〜20:00
会場_東京都現代美術館 企画展示室B2F、エントランスホールほか
住所_東京都江東区三好4-1-1
入場料_一般¥1,000
*一部のイベントには別途参加費が必要
公式サイト及びSNSを参照。
Text_Ayako Tada