2024年6月11日(火)から8月18日(日)まで、「京都国立近代美術館」にて『倉俣史朗のデザイン─記憶のなかの小宇宙』が開催される。名作家具や実験的ピースとともに、これまであまり公開されてこなかった私信やスケッチも展示し、その業績を回顧する。
『倉俣史朗のデザイン』展が京都にて開催
代表的作品やイメージスケッチで創作の軌跡を辿る
50年代から80年代にかけて、倉俣史朗は「インテリアデザイン」の概念を日本に広めさらに革新し続けた。1963年開業の銀座のランドマーク「三愛ドリームセンター」の内装で注目を集め、1965年にはデザイン事務所を設立して独立。自主制作でユニークな家具を多数考案し、1981年にイタリアで興った運動「メンフィス」に参加する。アクリルでできた透明な椅子や、くねくねとウェーブする引き出しなど、アート性の高い作品を発表した。1991年に急逝したのちも、そのデザインは多くのクリエイターに参照され続けている。
「京都国立近代美術館」で開催される『倉俣史朗のデザイン』展は、そんな倉俣の業績を俯瞰的に振り返る試みだ。年代に沿って作品や仕事を紹介し、かつ、デザイナー自身の言葉に基づくテーマを立てる。おもしろいのは、夢からもアイデアを得ていたと言われる倉俣のつけていた夢日記や、私信、イメージスケッチといった資料も展示される点。独自な発想や思考を鑑賞者はじっくりと辿っていける。さらに、倉俣のレコードや蔵書も登場。制作以外のシーンの倉俣のいわば"私的な空間"に触れることができるのだ。
東京と富山を巡回した本展。稀代のデザイナーが残した作品や資料からは、どんなメッセージが聞こえてくるだろうか。
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【倉俣史朗のデザイン─記憶のなかの小宇宙】
会期_2024年6月11日(火)〜8月18日(日)
時間_火〜木・土・日10:00〜18:00、金10:00〜20:00(祝日を除く月曜休館、祝日翌日の火曜日休館)
会場_京都国立近代美術館
住所_京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
Tel_075-761-4111
観覧料_一般1,700円(前売り1,500円)、大学生1,100円(同900円)、高校生600円(同400円)、中学生以下無料
Text_Motoko KUROKI