《PK 0》1952年 織田コレクション/北海道東川町蔵 撮影_大塚友記憲
2024年6月29日(土)から9月16日(月)まで、企画展『織田コレクション 北欧モダンデザインの名匠 ポール・ケアホルム 時代を超えたミニマリズム』が「パナソニック汐留美術館」にて開催されている。20世紀の北欧家具デザインを牽引した名匠の、日本初の本格的展覧会となる。
20世紀デンマークを代表するデザイナーの家具が集合
《PK 0》1952年 織田コレクション/北海道東川町蔵 撮影_大塚友記憲
2024年6月29日(土)から9月16日(月)まで、企画展『織田コレクション 北欧モダンデザインの名匠 ポール・ケアホルム 時代を超えたミニマリズム』が「パナソニック汐留美術館」にて開催されている。20世紀の北欧家具デザインを牽引した名匠の、日本初の本格的展覧会となる。
1950年代から70年代にかけて活躍したポール・ケアホルムは、ミニマルで清潔な造形で知られる。「ミッドセンチュリーの北欧家具」という言葉で連想されるほっこりと温かみのある雰囲気からは一線を画し、当時にしては珍しい硬質な素材による緊張感ある佇まいを特徴とする。といっても、決して冷たい印象を与えるものではなく、身体に馴染み心地よく使えるデザインを提案した。
『ポール・ケアホルム 時代を超えたミニマリズム』展では、代表的な約50点が並ぶ。中心をなすのは、長年椅子研究と収集を続ける東海大学名誉教授・織田憲嗣のコレクション。ケアホルムの主要作品を網羅した展覧会は、日本の美術館では初となる。
緻密で厳格な設計に基づいたデザイン手法から、「家具の建築家」とも呼ばれたケアホルム。本展では、そんな彼の思想に共鳴する会場構成を建築家の田根剛が担当する。2006年に若干26歳でエストニア国立博物館のコンペを勝ち抜き、近年は帝国ホテルの新本館の設計も手がける気鋭のアーキテクト。そんな田根が20世紀半ばから今に伝わるケアホルムの家具をどう演出するのかも、見どころのひとつだ。
Text_Motoko KUROKI