今、世界に意義のある変化と進化を起こそうと、熱くメッセージを発信しているのはインディペンデント誌の編集長だ。多趣味でマルチ、自由でおおらかなエネルギーを持った女性編集長たちをフィーチャー。
インディペンデントマガジンとその女性編集長たち『MARFA JOURNAL』 アレクサンドラ・ゴーディエンコ(25)

アレクサンドラ・ゴーディエンコ(25)
London and Paris
『MARFA JOURNAL』
なぜ『MARFA JOURNAL』は、ファッション業界からこれほどまでに愛されているのか? 最新号をめくっていると、次から次へと現れるブランドの広告を眺めながら考えた。編集長は『PURPLE FASHION』などで活躍するロシア人の写真家、アレクサンドラ。毎号、友人たちと旅に出かけ、その町の〝ストリート〟で旬なファッションアイテムを撮影する。
最近も友人たちと旅行へ出かけたの?
「うん、ちょうど16人でスペインのマヨルカ島に行ってきたばかり。次号のための撮影をしたり、ビーチで休んだり、美味しいものを食べて踊ったり、下らないジョークを言い合ったり」。
アレクサンドラは友人であり仕事仲間でもある彼らを〝MARFRIENDS〟と呼ぶ。
「会いたい人たちに会って、夢見ていたところに行って、恋に落ちたり別れたり、そしていろんな言葉やヴィジュアルを思いついて……そうやって雑誌を作ってるの。何年か経って本棚からこのマガジンを取り出したときに、制作中にあったさまざまな想い出がよみがえるようなものでありたいんだ」。
彼女にとって『MARFA JOURNAL』は、想い出がつまった宝箱のようなものなのだろう。知らない土地で、親密な仲間たちが戯れるアドベンチャーなムード。この、映画の一場面のような美しい写真が、作りモノではなくリアルであるということが、多くのデザイナーがそこに自分の服が存在してほしいと切望する、理由なのかもしれない。ひとりの人間とその友人たちの人生の記録より美しいものなんて、この世にないのだろうから。
雑誌の顔的存在“MARFRIENDS”とのロードファッションストーリー。衣装を旅先に持ち込み、友人をモデルに。
ハイモードも“MARFA”らしく。刺激的なヴィジュアルなのに、作りモノ感がなく本質との調和を感じさせる。
永遠の大親友、ジェン。2011年に初めて2人でアメリカをロードトリップした。ここからすべてが始まった。
左からスタイリング担当のリンダ、元クラスメイトで仕事仲間のサンドラ、そして私。いつも面白いアイデアを出し合うの。
3号目の表紙を飾ってくれたクロエ・セヴィニー。セクシーなアーミッシュの格好をしてくれて、SNSでも話題になってた。
Photo: Toru Oshima
Text&Edit: Karin Ohira
Coordination: Yumiko Ohchi (Marginal Press)