あっという間に過ぎ去ってしまう夏。『夏の終わりは自分で決める』という名言もありますが、気がついたらもう夏も終盤……。意識した瞬間にセンチメンタルな気持ちになります。楽しいことだけではないけれど、自分にとって大きな経験を与えてくれる夏。そんな夏の終わりに観て、今年の夏を想い返すもよし、より素敵な時間を過ごすためのアドバイスとして受け止めるもよし。大人の女性のだからこそ観るべき映画3本をお届けします。
大人の女性が夏の終わりに見るべき映画3選

『プーと大人になった僕』
あらすじ
誰もが一度は通っている20世紀最高の名作のひとつ『くまのプーさん』が実写化!「100歳になっても、きみのことは絶対に忘れない」と約束したプーとクリストファー・ロビン。そんな2人がロンドンで再会を果たす。『森の仲間達が見つからないんだ』プーの相談に“100エーカーの森”へ舞い戻るクリストファー・ロビン。昔懐かしい面々に胸が熱くなるも、家族や仕事の問題に悩む彼は、急いでロンドンに戻ることに。しかし、戻る途中で森に大事な書類を忘れてしまう。親友の大切な『忘れ物』を届けるため、プーとピグレット、ティガー、イーヨーは、森を飛び出し、ロンドンへと向かう。
見るべきPoint
「大切な時間」
子供の時間も夏と同じで、人生の中でいうと本当に短い時間。実際にその時間を体験しているときには有り難みに気づけないもの。日常の中で当たり前に転がっている「コト・モノ」が実は幸せそのもの。そんな事に気付づかせてくれる映画。夏は楽しいイベントが目白押し。あっという間に過ぎていきます。そんなせわしない日々だからこそ、その瞬間を噛みしめてほしいと思います。そして、日々パワフルに忙しく、それなりにシャンとしていなければならない立場であろうGINZA読者のみなさまは、この短い夏くらい、好奇心全開で童心に戻ってもいいのではないか、と思います。仕事や忙しい事を忘れて『何もしない』の先に、良い事が待ってるかもしれません。
9月14日(金)より全国ロードショー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式HP:www.disney.co.jp/movie/pooh-boku.html
©2018 Disney Enterprises, Inc.
『顔たち、ところどころ』
あらすじ
カンヌ・アカデミー両賞で名誉賞を受賞し、女性映画監督の先駆者として高く評価されているアニエス・ヴァルダ。日本でもワタリウム美術館での個展が大きな話題となり、ファッション&カルチャー系の若者に絶大なる支持を得るフランス人アーティストのJR(ジェイアール)。年の差54歳のアーティスト2人が、各地の人々と触れ合いながら共に作品を作り残して行く『計画しないこと』をルールにした旅のドキュメンタリー。
見るべきPoint
「一期一会」
夏はみんな開放的になり、朝も夜も外へ繰り出すことが多くなる。偶然の出会いや計画的な出会いもあるでしょう。また旅にでかけたり、帰省したりする人もいるだろう。それだけ『人に会う』季節です。振り返ってみてください。この夏に出会った人の顔、覚えていますか?ともに作った何かをお互いに残すことで、双方この出来事を忘れないようにする。これはアートではなく「ハート」だなと思います。彼らはこの瞬間を「アート」という名前で残すことでずっと忘れたくないのでしょう。良い思い出ならなおさらですよね。この夏出会った人の笑顔を思い出すだけで、この充実していた夏をもう一回楽しんだ気持ちになれるかもしれない。そして、これから出会う人とも笑顔で関わっていきたい、そんなことを思う映画です。
2018年9月15日(土)より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷ほか全国順次公開
配給・宣伝:アップリンク
© Agnès Varda – JR – Ciné-Tamaris – Social Animals 2016.
『(500)日のサマー』
あらすじ
運命の人に出会う事を夢見るトム。彼の職場の上司に新しいアシスタントとして、サマーという女性がやってくる。そんな彼女とは音楽の趣味が合うと知ることで、トムは『これは運命だ』と感じ、サマーへの想いが強くなっていく。しかし、サマーは恋や運命といったものには一切の興味が無い女性。そんな2人が出会ってから過ごした500日間の、どこにでもありそうだけどキュートで切ない物語。
見るべきPoint
「恋は盲目」
『一夏の恋』とは、夏に始まり夏で終わるような、儚い恋の事。当の本人たちはまわりが目に入らずそれはもう燃えあがります。しかし何処か掛け違い上手く行かない。だけど、この経験が次の自分を作っていく。そんな恋の事。
それを500日にあてはめて説明した映画。ジョセフ・ゴードン=レヴィットの演技力が光る名作で、女性ファンがとても多い映画。自分では『ピッタリだ』『正解だ』と思っているものの、思い込みが強すぎることってありませんか?人間関係もそう。自分は「最高の相性だ」と思っていても、人の相性なんてそんな単純ではない。相手が無理して合わせていてくれていたことに気がつかず、時に自分の期待に応えてくれない時は「裏切られた」と人のせいにしてしまう。特に恋愛なんて「盲目」になりがち。自分がちゃんと相手と分かりあえているのか、『一夏の恋』でなくてもこのタイミングで冷静に振り返ってみては?相手への感謝に気がつくこともあるのではないかと思います。
ブルーレイで発売中
価格 : ¥1,905(税抜)
20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
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PACHI
プロモーションプランナー、映画コラムニスト、映画音楽縛りのDJ、元ファッションPRの一児の父。女兄弟の真ん中男子ということもあり、女子力高め。ファッションPR時代に携わったブランドも、ほぼ女性ブランド。現在は美容系メーカーでブランドプロモーションを行いながら、仕事後に子供を寝かしつけた後に夜な夜な映画鑑賞する。昨年は1年間で200本の映画を観る。キッカケは、妻の里帰り出産。不定期ではあるが「映画音楽」縛りのDJ活動も行う。
インスタにて、「#ぱち映画」でレビュー多数公開中
アカウント : @yuta_ohashi_pachi