美術館やギャラリーで名画を眺めるのもいいけれど、 新しいコートやニットをワードローブに加えるように、 アートを所有してみるというのも、なかなか素敵なこと。 7人の女性に聞いた、大切な作品のストーリー。
高須咲恵さん(アーティスト)のお気に入りは「BIENのドローイング etc.」 レディの私物アートVol.1

いびつな線のドローイングは「形になる前の形」がテーマのBIENの作品。東日本大震災の瓦礫だった木片にラインが彫り込んである。
BABUのペインティング
スケーターで彫師、グラフィティライターでもあるBABUは、ストリートを体現している。石巻でこの絵を持ち運びながら過ごしていたそう。
TAISHI NISHIHIROのリソグラフと
Mark Drewのシルクスクリーン
左 都会のねずみの理想と現実が描かれたユーモラスなリソ。右 作家自身が影響を受けた、オールドスクール・ヒップホップのカセットを積んだシルク。
手元にある作品は何か一緒にやったアーティストからもらったり交換したものばかり。スケボーに載せた平面は、Reborn-Art Festival 2017で一緒に展示をしたBABUさんの作品。被災した石巻のスケートパークの板の上を自ら滑って跡をつけその上に彼が考えたスケボーの世界を描いています。BABUさんによると車輪が4つあればスケートボードらしい。それで日本刀に車輪4個つけてみたり(笑)。この絵は彼自身でもあるのでスケボーの上に乗せてみました。BIENのドローイングも石巻で作られたもので、このラインは描くんじゃなくて彫っている。瓦礫置き場にあった木片に虫が食べた跡がついているのを見て、彫ってみたらしい。そういうエラーみたいなものに注目してつくる所が面白いなって。
私は、手つかずの自然礼賛!よりも、人間がもがきながら場所を切り拓く姿に惹かれます。だから、私たちSIDE COREは都市の変化とか循環が大きなテーマになっているし、ストリートの要素も濃い。それをアートに結びつけることで化学反応が起きると思っています。ストリートには日々新しい人が入ってくる。そこで出会う面白い人やモノにわくわくしています。
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アーティスト<br /> 高須咲恵
都市の表現拡張がテーマのグループSIDE COREとして企画や制作を行う。
Photo: Tomo Ishiwatari Text: Satoko Shibahara