〈プラダ〉の新作コレクション「Prada Re-Nylon」がローンチされた。「プラダ 青山店」では現在インスタレーションが開催中。
「プラダ 青山店」にインスタレーションが出現。100%再生素材“Re-Nylon”から考える環境問題
ナイロンといえば、〈プラダ〉の中でも最もアイコニックな素材だ。現代の生活を象徴するファブリックとして、40年以上前から取り入れられてきた。
そんな、〈プラダ〉のナイロンが昨年から進化しているのはご存知だろうか。2019年に発表された6つのクラシックなバッグのカプセルコレクションでは、100%再生可能なナイロンで作られた「Re-Nylon」の使用がスタートした。
今回の新作コレクションでは、さらにウェアやシューズなど、アイテム数を拡大しての展開となっている。
上質で耐久性のあるナイロンギャバジンと、シルクのような風合いを持つナイロンピウマ。パートナーシップを組んでいるイタリアの「アクアフィル社」の最先端技術により、従来のナイロンとほとんど変わらない質感の生地が誕生した。この開発により、ナイロンがもたらす地球温暖化の影響を最大80%削減することに成功。1万トン製造するたびに、7万バレルの石油も節約できるようになった。
原料は、フィッシュネットやペットボトル、カーペットなど。驚くことに、これらは世界各国の海をまわり集められた廃棄物だ。
それらを一挙に見ることができるインスタレーションが、現在「プラダ 青山店」にて開催されている。
店内には、大きなアーチを描くように複数のスクリーンが設置。「ナショナル ジオグラフィック」が制作した、ショートムービーが公開中だ。廃棄物を集めるためにまわった国のうち、アメリカ、ニュージーランド、中国、カメルーンの4カ国にフォーカスし、海底からフィッシュネットを拾う様子などが流れている。
壁面には、巨大なビデオウォールが登場。このプロジェクトの根幹であるサステナビリティを想起させる雄大な自然の情景と、製造過程を鑑賞することができる。モノクロームの映像は、〈プラダ〉が打ち出すブラックナイロンをイメージしているそう。
ぎっしりと並ぶ新作コレクションも見逃せない。メンズとレディスのウェアのほか、コンバットブーツやスニーカーなどのシューズ、ハット、ベルトなどのアクセサリー類。ベルトバッグ、バックパック、クロスボディバッグなど、バッグのデザインも多岐にわたる。アイテムは全て「Re-Nylon」を採用したもの。ちなみに、2021年末までには、全てのバージンナイロンを「Re-Nylon」に切り替える予定だという。
また、これらの売り上げの一部は、コロナで教育が受けられなくなった子どもたちや、海洋汚染問題の支援に向けて、ユネスコに寄付されるそう。
ストーリーが詰まったアイテムの数々。まずは、地球の悲鳴に耳を傾けて現状を知ることからはじめたい。ぜひ、この機会に〈プラダ 〉が手がける「Prada Re-Nylon」の循環の輪を、見て触って体感してほしい。
【PRADA RE-NYLON スペシャルインスタレーション】
開催期間: 開催中〜終了日未定
場所: 「プラダ 青山店」 B1 階
住所: 東京都港区南青山5-2-6
Tel: 0120-45-1913(プラダ クライアントサービス)
営業時間: 11:00〜20:00
Photo: Wataru Kitao(shop) Text: Nico Araki