オンラインが便利になってきた世の中だけど、お店の空間には、オーナーのこだわりが詰まっている。ヴィンテージの洋服と+αな魅力がある東京の古着屋さんへ。今回は、レコードも置いている渋谷の「デスペレート リビング」。
一風変わったレコードが見つかる「デスペレート リビング」。+αが楽しい、東京の古着屋案内

渋谷の高層ビルがひしめき合う中に突然現れる煉瓦造りの建物。その4階にあるのが「デスペレート リビング」だ。なんと創業17年。開店当初から、牧野孝彦さんと山田裕子さんが共同オーナーとして営んでいる。監督のジョン・ウォーターズの考え方が好きなことから映画『デスペレート リビング』のタイトルが店名に。山田さんが手がけるリメイクライン〈ドリームランダーズ〉も、監督がキャストを呼ぶ愛称からきている。
買い付けは、アメリカのロサンゼルスやニューヨークを拠点に田舎の方も回るのだそう。1890年から2000年頃のものまで取り扱い、今の流れを汲んだアイテムが並ぶ。
レコードのセレクトは
服選びに似ている
レコードショップで働いていたというお二人。カウンター横のレコードは、ミューザック、モンド・ミュージック、フリージャズ、アバンギャルド、サザンソウル、イージーリスニング、エキゾチック、アンビエント、サイケ、とジャンルは様々。幅広く取り扱いながらも、少し変わったものを揃えているという。時期によっては、買い物をした人に店内のレコードのミックスCDをプレゼントしていることも。「音楽が好きな人から見ても“おっ”と思ってもらえるものを置いています。レコードのセレクトは、古着を選ぶイメージと近いかもしれません」と牧野さん。よく見ると、レコードのジャケットは鉄板やコルク素材だったり、木の枝が入っていたりとアート作品のようだ。盤に絵が描かれて片面しか聴けないものもあり、一捻りされたものが目立つ。
「仕入れる時は“評価が定まっていないけれど面白いもの”というのも意識しています。1枚持っているだけでワクワクしてもらえたら嬉しいです」と牧野さん。
「DESPERATE LIVING」
住所: 東京都渋谷区渋谷3-25-21 第一平野ビル401
Tel: 03-6433-5195
時間: 14:00〜19:00
定休日: 水曜日
Photo: Wataru Kitao Text: Nico Araki