「パルコ/PARCO」が2014年から続けるコーポレートメッセージ「SPECIAL IN YOU.」。2025年6月16日(月)から12月14日(日)までは、パリのブティック〈ブリジット タナカ/Brigitte Tanaka〉ディレクター・デザイナーの田中千恵子が出演。自由に開かれたスピリットが「パルコ」と共鳴する。コラボレーションバッグのプレゼント企画も実施。
〈Brigitte Tanaka〉ディレクターのスペシャルな生き方
「パルコ」コーポレートメッセージに田中千恵子が登場

オーガンジー生地に丁寧に縫い取られた刺繍。鮮魚店の袋をモチーフにしたバッグや、エアメールそっくりなポーチなどはとてもリアルで、でもだからこそファニーなかわいらしさが際立っている。フランスで生まれた〈Brigitte Tanaka〉は、オリジナル製品のほかにも、有名ショップや美術館などとのコラボレーションを重ねてきた。日本でも販売されるようになり、さらにファンを増やしているところだ。
ブランド名は、二人の女性の名前を組み合わせたもの。日本出身の田中千恵子と、彼女がパリで出会ったフランス人のブリジットだ。実は田中は、渡仏前は「渋谷PARCO」でショップ店長をしていたそう。そんな縁もあり、第24回目を迎えるパルコのコーポレートメッセージ「SPECIAL IN YOU.」に、パリから登場することとなった。
「SPECIAL IN YOU.」は、誰しも特別な才能を持っているとの考えを軸に、一人一人のパワーを解き放ち、才能を発掘、応援するための取り組みだ。毎回、ファッションだけでなくアートや音楽などさまざまな分野の人物がロングインタビューや動画で登場。2025年6月16日(月)からの約半年間は、パリ在住の田中千恵子が自身の軌跡や情熱を語るコンテンツが公開される。それに際し、ginzamag.comにパリからコメントを寄せてくれた。
——ブランドのアイコンでもあるオーガンジー生地の刺繍バッグには、フレンチエッセンスがたっぷりですよね。どういう風に生まれたのでしょうか。
ブリジットも私も、日常で使うものからインスピレーションを得ることが多いんです。メトロのチケットをブレスレットにしたり、スティックシュガーをブローチにしたり。なんでもかわいく見えるんですよね。日常に存在するものを、視点を変えてデザインするのが好きなんだと思います。
——ショップバッグを模すというアイデアも、自然に湧いたものだったんでしょうか。カラーリングにも毎度心を掴まれます。
はい。ファーマシーなどで買い物したときにもらう袋にいつも惹かれていて。紙袋をテープで補強しながら使っていたこともあるくらい(苦笑)。お店の袋のデザインを、もっと長持ちするものとして作れないかなと思ったのが始まりです。日用品をファッションにする、ということが核にあるのかもしれません。配色については、フランス文化は色にまつわる感性が磨かれているので、私が日頃触れる景色から影響を受けているのかも。舞台芸術も好きで観に行くので、そこから着想することもあります。
——今回プレゼントキャンペーンのために制作されたコラボレーションバッグも、ネイビーと赤がまぶしいですよね。「SPECIAL IN YOU.」のメインビジュアルも自転車姿。〈Brigitte Tanaka〉のお店への通勤スタイルでしょうか。
実際に毎日、パレ・ロワイヤルを通って1区のブティックに通っています。ヘルメットは乗馬用のもの。蚤の市で見つけました。街中で「それ素敵ね」と話しかけられることも結構あるんですよ。パリは、知らない人とも自然に会話が始まる街なのでそれが楽しい。
——渡仏したのは社会人を経験してから。ブリジットさんとはどのように出会ったのでしょうか。「SPECIAL IN YOU.」サイトで語られるお二人の関係性、とても素敵です。
パリについた直後は、何をするかも決めていませんでした。でも気になるクリエイターに連絡を取ってみようと思い、二人を候補に挙げて。そのうちの片方がブリジット。彼女に決めた理由は、「直感」ですね。HPの顔写真を見て『この人だな』と。シンプルに『仲良くなれそう』と感じたんです。そしてその勘は当たっていた。
——すごい直感!それも一つの才能ですよね。
自分のやりたいことに耳をすます感覚が大事だと思っていて。それには、たとえば普段から植物の世話をしたり、ゆっくりする時間を持ったりするのがいいのかもしれません。今はモナコに住むブリジットは、家族のような友人であり、パートナー。喧嘩もたくさんします。でも、とことん案をぶつけ合って納得いくまで話し合える。迷ったときに意見を聞ける相手、信頼できる相手がいる。それが、一人でものを作る場合にはない良さかもしれませんね。私たちはそれぞれ反対のエネルギーを持っていて、だからこそ、自分だけだと行けないところまで到達できるんです。

——羨ましいパートナーシップです。田中さんは日本にいるときに、「渋谷PARCO」で働いていたと聞きました。元職場でもあるパルコに、コーポレートメッセージの送り手として関わるというのも素敵なストーリーですよね。
お話をいただいたとき、もちろん光栄で嬉しかったのですが、「私でいいの?」とも。でも、クリエイター個人にスポットライトを当ててこうしたコンテンツを作るというのがとてもパルコらしいなあとも感じました。パルコという場所、そして企業は、常に寛容でオープンマインド。クリエイションに対してすごく柔軟だし、社員の方々も軽やかに働いているなと思います。
——ビジュアルのロケ地は、パリの公園だそうですね。
本当に良い経験となりました。私が主宰するアート企画「ランコントル・オウ・ジャルダン」もそこでパフォーマンスをしたことがありますし、この街でいちばん好きな場所なんです。でも、この撮影のとき、私がつい普段通りに自転車を漕いで、スタッフさん達を置いていってしまって(苦笑)。思い立ったらそのまま走り出してしまうんです。「そこが田中さんらしいですね」と言われました(笑)。
——確かに、良いと信じたものにまっすぐでらっしゃいます。
蠍座だからなのかもしれませんが(笑)、「情熱」というキーワードで動いている気がします。「ランコントル・オウ・ジャルダン」のキャスティングでも、演者に言われたことがあるんです。「君の話を聞いて情熱を感じたから、出演オファーを受けたんだよ」と。たとえ何もできなくても、自分が信じてワクワクしていたら、それは周りにも伝わります。そして、伝われば、やがて形になっていくのではないでしょうか。
——パリに長く住んでいる視点から見ると、日本のカルチャーやファッションはどう映りますか。ginzamag.com読者へメッセージをお願いします!
多様な人種の人がいるという背景もあり、フランスは「人と違う」が基準。対して日本は「人と同じ」が基準だなと思います。また、女性は年齢を重ねるにつれてどんどん魅力を増す、という感覚が日本にあまりないのが少し残念かもしれません。せっかく斬新な発想を持つ文化なので、若い人たちがクリエイティブな感覚を育てながら大人になっていければなと思います。あとは、もっと海外に出て体当たりで色々な経験をしてみてほしい。たとえば旅行でパリに来たら、有名どころを回るのではなく、カフェで地元の人と少し話をしてみてください。そういう時間が、唯一無二の思い出になるはずです。
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田中千恵子
たなか・ちえこ>>建て替え前の「渋谷パルコ」で、〈シアター プロダクツ〉のショップ店長を務めた経験を持つ。渡仏後、〈ブリジット タナカ〉や、パフォーミングアートを軸としたプロジェクト「ランコントル・オウ・ジャルダン」を立ち上げる。現在、日本の伝統工芸とコラボレートした企画を進行中で、2026年に発表予定。
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【SPECIAL IN YOU. 第24弾 Brigitte Tanaka 田中千恵子 編】
期間_2025年6月16日(月)〜12月14日(日)
【プレゼントキャンペーン】
期間_2025年6月16日(月)~6月29日(日)23:59
上記期間中、PARCO公式Instagramをフォローの上、キャンペーン対象投稿に「いいね」&コメントした方の中から抽選で20名様に「Brigitte Tanaka ×PARCO コラボレーションバッグ」がプレゼントされる。
*既にフォロー中の場合も、対象投稿へ「いいね」&コメントで抽選参加可能。
*当選の権利は当選者様本人のものとし、第三者への譲渡(有償・無償を問わない)や換金は禁止。
*商品の発送は日本国内に限定。
*商品発送は7月下旬〜8月上旬頃。(諸事情により多少前後する場合あり)
Text_Motoko KUROKI