メゾンの記憶と、未来へのオマージュ。過去最大規模で届ける〈ルイ・ヴィトン〉の『ビジョナリー・ジャーニー』展が、7月15日より大阪にて開催。未知なる没入体験を、展示される一部アイテムと共にひと足先にナビゲートする。
〈Louis Vuitton〉夢ある旅の記憶が、大阪にやってくる
『ビジョナリー・ジャーニー』展が開催

VISIONARY JOURNEYS展とは
創業170周年を記念して開催される〈ルイ・ヴィトン〉『ビジョナリー・ジャーニー』展。大阪中之島美術館を舞台に、ブランドの原点から現在、そして未来へと続く“旅の真髄(こころ)”を読み解くエキシビションだ。2025年大阪・関西万博フランスパビリオンでのインスタレーションとあわせ、11の部屋からなる壮大な展覧会は大阪を大きく盛り上げる。キュレーションはファッションの歴史へ造詣の深い美術史家フロランス・ミュラー、空間デザインはOMAの重松象平が手掛け、創造性とクラフツマンシップの本質に迫る。日本との絆に光を当てた構成や、貴重なアーカイヴ、アーティストたちとの対話が織りなす展示群も見どころ。バンコク、上海で開催され、その規模を超える本展。7月15日から9月17日のあいだ、〈ルイ・ヴィトン〉の思想に五感で触れる、贅沢な旅となりそうだ。
1. 170年の軌跡、そのジャーニーをたどる

旅のはじまりは1835年。フランス東部ジュラ地方を離れた少年ルイ・ヴィトンは、徒歩でパリへ渡り、荷造り職人としての第一歩を踏み出す。そこから始まったブランドの歩みは、息子ジョルジュ、孫のガストン-ルイへと受け継がれ、三世代にわたる努力によって、〈ルイ・ヴィトン〉は単なる鞄製造業の枠を超えた存在へと昇華していく。こうして170年におよぶ歴史のなかで育まれたトランク製作のサヴォアフェールは、時代の創造性と共鳴しながら、現代にまで脈々と息づいている。本展では、パリ郊外アニエールのアトリエにまつわる資料や、写真から振り返る変遷、さらにギメ東洋美術館やカルナヴァレ美術館から貸し出された歴史的アーカイヴを公開。パリ市立公文書館で再発見された19世紀のモノグラム・キャンバスのオリジナルサンプルをはじめ、製造工程を垣間見ることができる展示やオブジェなども並ぶ。また、歴代のアーティスティック・ディレクターが手掛けた近年のアーカイヴコレクションなど、創業の原点から革新の現在に至るまで、その道のりを掘り下げた構成となっている。
製品カタログの背表紙に描かれたアニエールの工房(1897年)。主にトランクやレザーグッズの製造を手掛けていた。現在も、同地で特別なシティ・バッグの一部やスペシャルオーダーのトランクを製作。
ニコラ・ジェスキエールが2023年春夏コレクションにて発表したキャンバスバッグ〈メゾン・ド・ファミーユ〉。ヴィトン家の邸宅から着想し、ミニチュアサイズで再現したトランク。細部まで手の込んだ造形美。
Photo_Louis Vuitton Text_Aiko Ishii