ギンザ(以下ギ)「仲子ちゃ~ん、こないだ合コンでいい仲になった人に歌舞伎に誘われたの。何を着て行ったらいいの?」
仲子(以下仲)「わたし、一度だけ観劇に行ったことがあるんですけど、いい席を予約している方は、皆さんお綺麗な格好をしているな~❤︎とホレボレした覚えがあります。和装の方も多くて。」
ギ「やっぱり……。カブキ、ハードルタカイワ(ガックシ)」
仲「いえいえ、年齢に合わせた上品な装いがベストかと。例えばクラシックな雰囲気漂う、ダマスク柄のジャケットに、同素材のスカートを合わせたセットアップなんていかがでしょう?」
ギ「え~、年齢に合わせるなら、もっとピンクとかグリーンとかイエローとか、ポップな色で勝負したい」
仲「そこが素人なんですよ。年配の方が多いなかで、明るい色でババーンと悪目立ちするより、落ち着いた色味だけど光沢のあるジャカードとラメタイツで、若さをさり気なく主張するのがベストです。」

ギ「なるほど。お母様方にはできない組み合わせでバトるんですね。」
仲「や、オシャレはバトルじゃないから……。メンズライクな香りも伺えるジャケットなので、襟元にはフリルブラウスをのぞかせて、女の子らしさをひとさじ。デート色も高まります。」

ギ「なるほど! さすが仲仔ちゃん。イカス~♪ ヒューヒュー。」
仲「NIPPONブームと言われている今日び、芸術の秋ですし、伝統芸能に触れるのも素敵ですよね。行ってらっしゃい!」
スタイリスト 仲子菜穂
Nao Nakako
漫画とお酒をこよなく愛するスタイリスト。トラッドやワークといったメンズ由来の着こなしに、モードなエッセンスを効かせたスタリングに定評がある。ときにインテリアやプロップを手がけることも。
Text:Harumi Hino
Styling:Nao Nakako
Photographer:kimyongduck