東京の古着カルチャーを牽引した〈DEPT〉の創業者である両親の元に生まれ、その家業を継いだeri。「私は洋服の仲介人。人と時を古着でつなぐ」。これは、そう語る彼女と母のワードローブの物語。
東京で1番オシャレな親子 “eriがいつか欲しいお母さんの大切な古着をピックアップ”

母、知恵子さんが大切に保管してあるものや、今尚現役で愛用している古着の中から、eriが狙っているアイテムをピックアップ。「eriがピックアップした服は、どれも私が特に思い入れのあるものばかりだったのでびっくり」(知恵子さん)
色とりどりのカシミヤニットカーディガン
1枚、1枚、丁寧なケアで保管されているニットカーディガン。「ほんの少しでも汚れたらすぐにクリーニングに出して、ほつれたりしたらすぐに直してる」と話す知恵子さんに、「まず、選んでる色がとても好き。そしてカシミヤは虫に食われやすいのに、保管方法が完璧、私は真似できない(笑)」とeri。
水玉のスウェードコート
昔からずっと水玉好きな知恵子さんが愛用中のコート。「くたっとしたスウェードにあのバンビ柄みたいな水玉っていう組み合わせはあまり見たことがない。派手すぎず、センスがよくて洒落てる1着だと思います。今はまだ圧倒的に、完全に母の方が似合う。私はまだまだ敵わないので、もう少し先に譲ってもらおうかな」(eri)
ウェスタンシャツ
「上のコートとは逆にすぐに譲ってほしいのが、このウェスタンシャツ。もともと、ウェスタンものが好きなんですが、これはハードじゃない刺繡の入り方が良くて、さらっとセクシーに着こなせそう」(eri)。黒地に映える白の刺繡は背中にも施されている。上品な色合いに切りっぱなしの裾というアンバランスな感じも面白い。
ワンショルダーのプリントドレス
仮装パーティの家族写真で、知恵子さんが1歳のeriを抱っこして着ているアフリカン調のプリントドレス。ショルダー部分はスナップボタンで取り外せる。知恵子さんはそのベルトを頭に巻いてターバンのように使っていたそう。「このドレスも状態の良さに驚きました。肩から布をかけちゃう感じが洒落てます!」(eri)
アクセサリーと時計
「母は〈DEPT〉でアクセサリーの買い付けやデザインを担当していたんです。母のものはどれも本当に質がいい。1回の買い付けでひとつでも見つかるかなー?くらいのいいものが実家にどっさりあるんですよね(笑)」とeri。時々、拝借しているとか。撮影の日は赤いガラスネックレスを持って帰ったらしい。
キルティングジャケット
からし色、民族調のキルティング生地で作られたチャイナジャケット風のアウターは、eriが高校生の頃にすでに借りて愛用し、今はまた知恵子さんのクローゼットに舞い戻っているアイテムだとか。「このジャケットの首元にファーをぐるぐると巻きつけて、よく学校に通っていた記憶があります」(eri)
東京で1番オシャレな親子の稀有なストーリー
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Photo: Naoko Kumagai Text: Kaori Watanabe (FW)