――GINZA読者に自己紹介をお願いします。
ネオンムーンを運営しているイ・ソソとチョ・ヨンジュです。

――ネオンムーンはどんなブランドですか?
ヨンジュ:70-80年代のアメリカンレトロスタイルにインスピレーションを受けてセレクトした雑貨やおもちゃ、オリジナルのアパレルアイテムを展開しています。
ソソ:自分たちが欲しいと思ったアイテムを制作しています。

――当初はヴィンテージトイを扱うおもちゃ屋さんだったけど、そもそもおもちゃ屋さんを始めようと思ったきっかけは?
ヨンジュ:海外旅行に行った時に可愛いものや好きなデザインの物を買い集めていたんだけど、だんだん荷物が多くなってきて。これを誰かに紹介したらどうかな?と思って延南洞にネオンムーンを作りました。
이소소🇰🇷さん(@neon__moon)がシェアした投稿 – 2016年10月月21日午前6時18分PDT
――おもちゃ屋さんがアパレルブランドになるのってあまりない例。なぜアパレルラインを始めたのでしょう?
ソソ:ヨンジュが元々服のデザインをしていて、私が編集やグラフィックデザインをしていたので、二人でできそうな事を考えた時に服だと思ったのと、二人とも服が好きだったので始めました。
ヨンジュ:欲しいものとか着たいものがあんまりなかったから、じゃあ、自分が欲しいものを作ってみようと思って。一番最初は洋服ではなくてエコバッグから始めました。それが人気商品になり、服も作り始めて。反応が良かったので、今までオリジナルを作り続ける形になりました。

――韓国では若い子が服作りを始めて、オンライン販売で人気を得てその後店舗を持つ、といったパターンが方法として一つ確立してる印象があります。日本ではそういった成功の仕方はあまり見かけません。
ヨンジュ:韓国は生産する場所が多くて、少し勉強したら日本よりは簡単に作ってみることができるんだと思う。
ソソ:まず工場を探すのが簡単だし、InstagramのようなSNSでもブランドをやってる人達が多いから、若い人達はそういう人を見て「あ!こういう人になりたい!」と思って、大学生時代に多くの人が挑戦していますね。
――わ、そんなに早い時期から。
ソソ:うん、大学生がすごく多いと思います。最初はブログマーケットとかで市場に売っている服を売ってみて、少しづつオリジナルを作ってみてだんだんブランドに成長していくような形が多いですね。
ヨンジュ:有名な人達が運営しているところも多くてインターネットで注文すれば安く済むので、会社員とか時間のない人達がよくオンラインショップを利用します。OLさんとかが休憩時間に簡単に注文したり…。インターネットがすごく発達してるので、そういう購入形式が当たり前に形成されている感じがします。
이소소🇰🇷さん(@neon__moon)がシェアした投稿 – 2017年 6月月9日午後8時38分PDT
――日本でも何回かポップアップストアをして感じたと思うんですが、日本では今すごく韓国のファッションが好まれています。
ヨンジュ:私たちがお店を始めて少し経った頃あたりから韓国ファッションが流行り始めた感じがします。韓国の若い人たちも日本のファッションが好きで、日本の若い人たちも韓国のファッションが好きですから、お互いがお互いの文化を好きな状況を面白いなと思っています。
――2人には今の韓国のファッションはどう映ってるんですか?
ソソ:韓国は流行の移り変わりが早いですから、トレンドをすぐに受けて、すぐに流行って、過ぎ去ればまたすぐに新しい流行が生まれて…どんどん移り変わるし、それがSNSによってさらに流れが早くなっているようです。誰かが着て、それが可愛ければすぐに着てみるし、そのすぐに真似て挑戦してみるまでのスパンが短いんだと思います。

――韓国であまり二人のように古着を着てる人を見かけないけど…なぜでしょう?
ソソ:古着屋もあるにはあるけど、ブームが過ぎたんだと思います。おそらく5年?くらい前に…。
ヨンジュ:今の韓国のトレンドが、シンプルな中に少しだけ凝ったディテールがあって綺麗なスタイルだから、最近はヴィンテージがあんまり好まれないと思うんですけど、私達は元々好きだったから着ていますね。
――あの頃、あの人は面白かったなと思うファッションやスタイルを教えて下さい。
ヨンジュ:最近90年代のムードがまた流行ってますよね。KPOPのアイドルを見ても、ものすごくヒップホップスタイルになったし、例えば素材が変わってるものだったりとかキラキラしてたり…。今思えばその時代の派手なファッションが良くて、最近はハイブランドも90年代に影響されてるようだし、見慣れたものでありながら今見ると新鮮な感じがします。当時のかっこいい人といえば…DEUXのキム・ソンジェ(김성재 )?もう亡くなってしまった方なんですが、物凄くファッショニスタ!
ソソ:ヒップホップスタイルなんだけど、スノーボード?っぽいパンツを履いたりとかしてて、本当にかっこいい感じでした。
――では、二人が今憧れてるファッショニスタは?
ヨンジュ:ヴィヴィアン・ウェストウッド。流行の移り変わりに応じて変化していくブランドが多い中で、自分だけのスタイルや信念を貫いてトレンド関係なくずっと作り続けているから。それから戦争反対のような社会的な抗議活動をキャンペーンに取り込んでいたりする点にも、強力なメッセージを感じます。
ソソ:髪型もカッコよくキメて、服もオシャレで、化粧もしっかりして、ヌード写真を撮ったり…そういうのが本当にかっこいいと思います。

――新しくNEONDUST.というラインも生まれましたよね。これは、どんなラインですか?
NEONDUST.はNEONMOONから派生したユニセックスブランドです。月を形成している月のダストからヒントを得てNEONMOONを形成しているNEONMOONの埃を形象化し、NEONDUST.と名付けました。シンプルでベーシックなスタイルにルーズフィットとミックスマッチを介してウィットとユニークさを加えました。東京でのポップアップショップにも、NEONMOONとNEONDUST.の春、夏の新製品と4周年記念パッケージなどを用意する予定です。

――4周年を迎えた感想は?
ソソ:休みなしに駆け抜けてきた私たちを賞賛してあげたい。大変な仕事、楽しいことが全部集まって、今のNEONMOONになりました。多くの人がお祝いしてくれて幸せです。 5周年のために、また一生懸命働きます!
――では改めてネオンムーンの今後の目標を教えてください。
ヨンジュ:ヴィヴィアン・ウエストウッドみたいに、ずっと自分達のカラーを持って続けていきたいです。
ソソ:ネオンムーンワールドを作りたいですね。
ヨンジュ:ひとつの建物に、ネオンムーン(ヴィンテージトイ)、ネオンムーンナイト(オリジナルライン)、ネオンムーンカフェ、ネオンムーンレストラン…全部入ってるような感じで。(笑)