はい、こちらパリコレ3度目の河田がお送りします。冬は断然ウールやカシミアにホクホクする派でしたが、今季の〈サンローラン〉と〈ジバンシィ〉を見たらレザーやファーが艶っぽくて色っぽくて、急に新鮮、だったんです!人生初、黒革と毛皮が気になっています。
👗FASHION
FROM EDITORS 2018年秋冬コレクション Vol.7 サンローランの黒革、ジバンシィのフォーファー。

かのプロフェッサー栗山も「80年代に注目!」で触れていますが、〈サンローラン〉に痺れました。1976年のムッシュイヴ・サンローランが発表したロシアンコレクションがインスピレーションとのことで、前半は全て黒の世界観。黒はムッシュと現デザイナーのアンソニーが一番好む色らしく、様々な素材の表情によって黒の中に濃淡を出していました。特に釘付けになったのが、レザーのカッコよさ。ホットパンツやジャケットに多用されていたのですが、〈サンローラン〉らしい品とエッジィさを保っていて素敵です。特にミニマルなルックにこそその艶っぽさが出ていたと思って、極私的ベスト3ルックを勝手に挙げます。ただしスーパーミニマルゆえ、スーパーなボディを持っていなければ着こなせない、か、も……。
ジャケット、ホットパンツ、グローブと全てレザー。スーパーミニマル。
素肌にダブルのジャケット、パンツにイン。オールブラック。たまんない。
これまたレザーのセットアップだけれどもインナーのセーターにオーバーサイズ気味のジャケットと少々野暮ったいトップをホットパンツで一気に締めてて、クーッ!
一方ジバンシィでは、俄然ファーが気になりました。1980年代始めのベルリンや90年代のニューヨークのナイトライフに見られたグリットとグラマー、暗く、謎めいた緊張感をまるで映画のヒロインのようなリッチさで表していました。ロイヤルウェディングでも話題になり、ノリに乗ってるクレア・ワイト・ケラーらしいセンスがジバンシィのアイデンティティに乗りきった2度目のコレクションでした。80年代のナイトライフはクレア自身のレガシーでもあり、その盛り上がりが大胆で彫刻的、ボリュームたっぷりのフォー(faux)ファーで演出されていました。
このボリュームとベルトで締めるバランス。ブーツも素敵です。
フォーファーとレザーのリッチなコンビネーションも今季は新鮮。ジバンシィでもレザーは多用されていました。
シャンティレースのスリップドレスのなめらかさ、軽やかさとボリューミィなフォーファーのコントラストもおもしろい。
35度越えの真夏に場違いな話ですみませんでした!しかし素敵なレザーやファーに思いを馳せて遠い冬のことを妄想するのも、ファッションの楽しみの1つですよね……!
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Saya Kawada
パリコレ会場でプロフェッサー栗山氏に会うと、家族みたいにホッとします。