サステナブル・フードトラック「edain」を運営するなど地球環境を守るための活動を、日頃から積極的に行なっている人気モデル、森 星さんと「だれにでもできる、身近なサステナブル」について考えてみるこの連載の第3回目。旬の食材を無駄なく、おいしく使いきるレシピを今回もリモートで、料理研究家の有元葉子先生に教えてもらいます。
森 星 × 旬の野菜 「半径5mのサステナブル」VOL.3 葉まで丸ごと楽しむ簡単レシピ 「セロリの葉と桜海老のかき揚げ」「セロリの茎と帆立貝柱の和えもの」

ナチュラルにハッピーに−−明るい未来を目指してサステナブルと向き合う、森 星さんと有元葉子先生のセッション第3回目。テーマに選んだ食材は、爽やかな風味が春にぴったりのセロリです。シンプルで洗練された料理はもちろん、哲学のある考え方、生き方にもファンが多い有元葉子先生から教わる「葉まで丸ごと楽しむ」セロリのレシピ。簡単&おいしいのでどうぞお試しあれ。
今回の食材はコレ!
セロリ
森 星「先生、セロリは一年中見かける野菜ですよね?」
有元葉子「そうね、年中出回っていますね。ただ出荷量は3〜5月が増えますし、セロリの爽やかな風味はこの時期にとってもあうわよね。葉を捨ててしまう人が多いらしいんだけど、香りがよくて旨味も強い部分だからとってももったいない!今回は、葉も茎もおいしく食べられる料理をつくりましょう」
森 星「楽しみです!私はサラダが大好きなので、セロリの葉を細かく切って、サラダに入れて味わうことが多いです」
有元葉子「それも素敵ね。私もセロリの葉は大好きで、いくらだって欲しいぐらい(笑)」
森 星「そうなんですね(笑)。セロリの葉のレシピって思い付かないから、いろんなアレンジを知りたいです!ちなみに、選び方のポイントってあるのでしょうか?」
有元葉子「葉がたっぷりついていて、鮮やかなグリーンのものがいいと思います」
森 星「そんなきれいなグリーンを活かしたレシピ、ワクワクします!」
レシピ1
セロリの葉と桜海老のかき揚げ
香り豊かなセロリの葉を存分に味わえる一品。セロリの葉のグリーン&桜海老のピンクのコンビネーションも美しい。粉と水だけの衣を薄くまとわせているので、カリッとした軽やかな食感!
<材料>
・セロリの葉…1〜2本分
・桜海老(乾燥)…30g程度
・薄力粉…適量
・水…適量
・揚げ油…適量
・塩…適量
<作り方>
具材に衣をまとわせる
①セロリの葉は一枚ずつ茎からちぎり、洗ってボウルに入れる(葉についた水気はふき取らなくてよい)。桜海老を加えてひと混ぜする。
②全体にいきわたる量の薄力粉を①にふり入れる。薄力粉がセロリの葉の表裏にまんべんなくつくよう、菜箸で全体を混ぜる。水を少量ずつ加えて混ぜ、衣が糊のような粘度のある状態になり、葉っぱ同士がやっとくっついて、全体がまとまるようにする。粘り気が足りなければ薄力粉を足し、強すぎたら水を足す。
揚げる
③油(好みの油でOK)を揚げ鍋の半分ぐらいの深さまで入れ、中温弱に熱する。平たいへらやスプーン(高温の油に入れても大丈夫な材質のもの)に、かき揚げひとつ分の量の②を菜箸でのせて、やや平たくなるように整える。これを菜箸で押し出して、油の中に滑りこませるように入れる。鍋の大きさに合わせていくつか入れてじっくり揚げる。表面を箸先で軽く叩いてみて、パンパンという感触が伝わってくればOK。両面ともカリッと揚がったら、網にあげて油をきる。揚げたてに軽く塩を振っていただく。
POINT
★木べらなどにかき揚げひとつ分のタネをのせて、軽くかたちを整えて鍋に滑りこませる。きれいに仕上がる上、揚げ物に不慣れでも落ち着いて揚げられる!
★中温弱の油でじっくり揚げることで、芯までカリッとした仕上がりに。油の温度が高くなりすぎた場合は、油を足すか、一度火を消して油を冷まして。
★セロリの葉のほか、にんじんの葉、キャベツ、春菊、冷蔵庫の残り物の野菜…、かき揚げにするとなんでもおいしく!桜海老やタコ、じゃこなど旨味のある食材を合わせるのがおすすめ。
レシピ2
セロリの茎と帆立貝柱の和えもの
水気をしっかりきったセロリが帆立の旨味をたっぷりと吸い込んで、あとをひくおいしさ!レモンの酸味もいいアクセントに。
<材料/1〜2人分>
・セロリの茎…1本分
・セロリの葉…適量
・塩…適量
・帆立貝柱の缶詰…1缶
・レモン汁…適量
<作り方>
セロリを切る
①セロリの葉は細い茎ごと折ってとり、さらに葉を細い茎からちぎっておく。太い茎は、葉がついていたほうから下に向かい、筋を包丁でひっぱってとる。5cm長さに切り、さらに繊維に沿って縦に1cm幅に切る。セロリの葉がついていた細い茎も、筋をとって5cm長さに切る。切った茎をすべてボウルに入れて塩を適量ふり、手で軽くもんでしんなりするまでおく。少しずつ手にとって水気をしっかり絞り、別のボウルに入れる。
②セロリの葉は縦方向に5、6枚重ねてぎゅっとかたく巻き、端から細い千切りにする。氷水に5分ほどさらしてパリッとさせたら、水気をしっかりきる。
ボウルで和える
③①に帆立貝柱の缶詰を汁ごと加え、貝柱を手でざっくりとほぐす。レモン汁を好みの量絞って、全体を混ぜて味見をする。塩気が足りなければ塩を足して、できあがり。
POINT
★セロリの茎の表面にある筋は、葉がついていたほうから根元に向かい、包丁でひっかけ、スーッと引っ張ってとる。このひと手間で舌触りがぐんとよくなる。
★塩をもみこんだセロリの茎は「これ以上、水分が出ない」というぐらいまで、しっかり絞って。食感がよくなり、引き締まった味に仕上がる。
★セロリの葉を加えることで、彩りと香りがぐっと華やかになり、洒落た一品になる。葉は氷水にさらして、パリッとさせるのがポイント。
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森星
1992年生まれ。東京都出身。モデルとして国内外で数々のファッション誌や広告などで活躍。明るく天真爛漫なキャラクターで2015年から「公益財団法人プラン·インターナショナル·ジャパン」のBecause I am a Girlエンジェルに就任。また、発酵人の田上彩氏らとともにサステナブル・フードトラック「edain」を運営。「farm to table(新鮮でオーガニックな食材を、農場から食卓へ)」をテーマに、体にも環境にも優しい食を提供している。公式YouTubeチャンネル『Hikari Mori』では、自身の見ている世界・価値観をシェアするための、さまざまなコンテンツを配信。
Instagram: @hikari
YouTube:『Hikari Mori』
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有元葉子
料理研究家。3人の娘を育てた専業主婦時代に、家族のために作る料理が評判となり、料理家の道へ。素材の魅力を引き出したシンプルでおいしい料理、洗練されたライフスタイル…。本質を見極めた軽やかな生き方は、多くの女性の憧れの的。著書に『レシピを見ないで作れるようになりましょう。』(SBクリエイティブ)、『「使いきる。」レシピ』(講談社)など多数。
公式サイト: https://www.arimotoyoko.com/
Instagram: @arimotoyokocom
Photo: Natsumi Kakuto Hair&Make-up: Mifune(SIGNO) Edit&Text: Sayoko Imamura