〈日比谷 ドローイングハウス・オブ・ヒビヤ〉
見渡す限りの緑とビルの前で、サンドイッチは山脈の夢を見るか。
目の前の芝生がどこまでも伸びて、そのまま向こうの日比谷公園、さらには皇居の森までつながっているような錯覚に陥った昼下がり。ここはあっという間に建ってしまった日比谷ミッドタウン6階の「ドローイング ハウス・オブ・ヒビヤ」の外の席。ビルの反対側には有楽町駅や数寄屋橋の交差点があって、忙しい今日が繰り広げられているはずなのに、このスコーンと抜けた空間には喧騒がない。ここが地上何メートルかわからないけれど、高層階に芝生がそよげば立派な空中庭園だ。これでオブジェから流れる水が上に昇っていけば、エッシャーのだまし絵みたいになるのに、とかね。妄想はさておき、テーブルにはさっき頼んだワイルドなビーフサンドイッチ(こう見ると山脈に見えなくもない)。これほどまでに広大な草原を前にしたら、アンガス牛に豪快にかぶりつくくらいじゃないとバランスがとれない気がして。炭火で焼かれた柔らかな赤味肉をパンでギュッと押さえて頬張れば、旨味がジュワ〜とあふれ出す。もしかして、見渡す限り余計なものがほとんどないから、視覚のかわりに味覚が何倍かにアップしてるのかも?空中庭園パワーすごい。食べ終わっても、もう少しこのままで。まだビルのなかには戻りたくない。
〝淡路島×長野・信州〟といった、全国各地のテロワール(土壌)の食材を組み合わせた料理が人気。ドローイングサンドは¥1,880。
「ドローイングハウス・オブ・ヒビヤ」
住: 東京都千代田区有楽町1-1-2 東京ミッドタウン日比谷6F
☎: 03-3519-3700
営: ランチ11:00〜14:30LO・カフェ14:30〜17:30・ディナー17:30〜22:00LO
休: 無休
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