「セレンディピティ」という言葉を知ったのは、阿刀田高さんのショートショートだったと思います。思いがけない時に訪れる幸運、何かを探している時に、違うなくしものが出てくるようなラッキーと覚えました。
この前、久しぶりにこれを体験しました。お茶のイベントをのぞきに京都に行き、前日に観た映画の中に出てきた「銭湯をリノベーションしたカフェ」が気になって仕方なく、友人たちとタクシーを飛ばしていったのです。
このカフェの入店待ちをするうちに、並びにあるお店に無性に惹かれます。カフェを出た後も素通りできず、「みたらし団子だって」「どうする? 買っちゃう?」で、焼きたてを持ち帰ることに。
すると「私、食べる」と1人が言い出し、小雨が降る住宅街をいい大人3人、傘も差さずにそれぞれのマイみたらし団子にかじりつきました。私だけきなこをつけていたので「きなこ、いる?」で「つけるー!」みたいな。
京都での1番の思い出になったのです。