映画や舞台、音楽のフィールドで活躍する女性6人の、どうしても手放せないものとは?大切なモノと「私」をつなぐストーリーを聞きました。
女優・佐久間由衣の「捨てられない物語」。旅の大切なパートナーとして欠かせないスーツケース
佐久間由衣 > スーツケース
トラッドな服が似合うケースに“自分の部屋”を詰めて旅に出る
「細部まで洗練された英国のデザインで、とてもリッチな気分になれる紳士的なスーツケース。想像以上に頑丈できれいに使えるのもいいし、ファッションのひとつとして持てる点も気に入っています。どんな服にも似合うけれど、私があわせたいのはトラッドな洋服。ジャケットなど〝旅の正装〟テイストを着たくなります」
おばあちゃんになるまで大切に使い続けるつもり—と佐久間由衣さんが語るのは、老舗ブランド〈グローブ・トロッター〉の〈サファリ〉。1920年代のモデルを復刻したデザインで、高さ約71㎝と大きめだ。5年前に友人からプレゼントされて以来、1人旅から海外での仕事まですべてこれ。7泊の旅にも持っていく。
「荷物は少ないほうだと思いますが、パッキングが大の苦手で。数日分のコーディネートを考えて服やアクセサリーを選ぼうとすると、頭の中が混乱して、何ひとつ詰められなくなってしまう。だったらもう、スーツケースの中を小さなクローゼットにしてしまおうというのが最近のスタイル。レギュラーアイテムを中心にバーッと詰め込んで持って行き、朝起きて開いたら、その中にあるものから気分にあわせて決めるんです」
いわば、ギュギュッと凝縮した自分の部屋をケースに入れて持ち運ぶ。そんな時間をいくつも味わってきた佐久間さんにとって、とりわけ印象深いのはモロッコの砂漠でテントキャンプをした1人旅。
「帰宅して荷物を出した後に砂漠の砂が潜んでいるのを見つけ、異国の香りを思い出しました。いつかモンゴルの砂漠を裸馬で駆け抜けたいと思っているのですが、今度はその砂を持って帰ってきてしまうかもしれませんね」
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佐久間由衣
女優。『ViVi』専属モデルを経て映画デビュー。『“隠れビッチ”やってました。』で映画初主演。2021年公開予定の『君は永遠にそいつらより若い』でも主演を務める。