森と大地からインスピレーションを受け音楽を作り続けるOLAibi(オライビ)。泥をまとった彼女の姿を写真家・松原博子が捉え、新曲を収録したサウンド&フォトブック『聴こえない馬』が完成。2022年2月19日(土)から3月6日(日)、表参道の「CIBONE」にてポップアップイベントが開かれる。
音楽家・OLAibi×写真家・松原博子のサウンド&フォトブック発売記念イベント

自然に惹かれ、森に移り住み、森から音を録り続けるOLAibiの音楽は、静かで力強く、プリミティブな魅力を放つ。
モンゴルにルーツを持ち、18歳でドイツに渡ったのちOOIOO(オー・オー・アイ・オー・オー)のドラマーとして活動。OLAibiは様々な国や民族の言語をカタカナに置き換え、ドラムや民族楽器、おもちゃのキーボードをサンプリングしたビートに、自然から録取した音を重ねていく。過去にはCharaやKOM_Iといったアーティストらとも共演してきた。
そんな彼女に惹かれていたのが、GINZAにも度々素晴らしい写真を届けてくれている写真家の松原博子氏。「泥にまみれたい」という衝動から奄美大島に向かったOLAibiを追い、大島紬の泥染め工房の泥田に裸で飛び込む姿を捉えた。
OLAibiの身体に泥で文様を描いたのは、画家・絵本作家のミロコマチコ。色、模様のそれぞれが生命力に満ちている。
こうやって出来上がった一冊からは、静謐でありながら原始的な美しさが溢れてくる。それは写真の強さでもあり、被写体の持つ類い稀な個性でもあり、泥と文様というものの持つパワーでもある。
同時収録されているのは、新曲『聴こえない馬』。OLAibiが自然界から“採取”したホワイトノイズによって紡がれた一曲だ。
表参道「CIBONE」のポップアップイベントでは、OLAibiと親交の深いkitta氏とeri氏の協力のもと、OLAibiの世界観が多角的に紹介される。
「CIBONE」の店内に、テキスタイルアーティストのkitta氏による柿渋で染めた美しい布で緩やかな境界をつくり、OLAibiサウンドが体験できる部屋を配置。また、ヴィンテージショップ「DEPT」はじめ数々のブランドを手がけるeri氏がOLAibiとともに過ごした時間や感覚を集め、写真と言葉で綴る「#オライビの森」が会場の一間で展開される。
サウンドデザイナーとしては、山道具・菜食食堂・音楽の店「山食音」店主の東岳志氏が参加。
ユニークな才能の周りに集う様々な才能と、その交流の軌跡。“音楽”というくくりにとらわれず、森や自然の芸術性を感じられる空間だ。