スタイリスト、フォトグラファー、ヘア&メイク、グラフィックデザイナー…『GINZA』が信頼するスタッフたちが敬愛するクリエイターを教えてくれた。
🎨CULTURE
私を刺激する人|グラフィックデザイナー・本田千尋さん「新しい視点と思考をもたらしてくれる」

武村今日子
アーティスト
この作品は缶詰食品の不自然な性質に焦点を当てたシリーズで、中身の生鮮品は本来はすぐに食べるべきものですが大量の食材を長期で保存したいという、人間の〝欲〟が作った彫刻のようだと思ったことから制作されたようです。写真媒体によるシンプルでストレートな表現の裏側に、「生と死」という普遍的な題材を軸にしている彼女の視点が深く込められています。観察力と表現技術のバランスも潔さを感じて、いい。
実は武村さんとはプライベートでも親交があり、立ち居振る舞いにも同じ感覚を抱きます。一貫性があって、接していて気持ちがよい。現在はドイツにいるため、スローな文通をしています。このような交流があると時間と気持ちがリセットされてありがたいです。遠距離の利点を活かしたクリエイションや2拠点同時の展示など。手を組みたい妄想も膨らんでいます。
肉類は塊をそのままに、きゅうりのピクルスや貝など液のものは凝固剤を用いて取り出し、缶詰の形状を保つ。
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武村今日子
ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ卒業。写真、文章、映像で「あたりまえ」として見過ごされる物事の本質を浮き彫りに。
紹介してくれた人
本田千尋
ほんだ・ちひろ
2016年よりフリーランス。アートワークや本などのデザイン業務と並行し、近年は空間にアプローチした作品の制作に携わる。
Text: Mako Matsuoka