昭和の喫茶店を紹介しつつ、その店をイメージして聴きたくなる80’sの名曲を、80年代好きライターの水原空気がレコメンド。Vol.23は、フレンチの源流が色濃く残る大井町の喫茶レストラン「プロヴァンス」へ。シンプルで愛らしい「クープジャック」もぜひ。前回訪れたのは入谷「喫茶トロント」。
🎨CULTURE
80年代好きライターの純喫茶巡り Vol.23
小さなパフェ”クープジャック”と洋食を大井町「プロヴァンス」で!
大井町「プロヴァンス」
「プロヴァンス」は1968年オープン。初代シェフが、銀座のフレンチ「コックドール」で修業した後に開いた喫茶レストランだ。「コックドール」では、日本のフレンチの父と呼ばれる小野正吉氏と共に働いた。小野氏は横浜の「ホテルニューグランド」で研鑚を積み、後に「ホテルオークラ」の総料理長を務めた人。「プロヴァンス」には少なからずその影響があるという。確かにメニューをめくると、「トルヴィル」や「クープジャック」といった聞きなれない言葉が飛び込んでくる。「トルヴィル」は、トマトライスを使ったドリアの古き良き名称。「クープジャック」も、刻みフルーツ入りアイスクリームという意味で、開店当時から変わらぬ名前と味にときめく。この店には、日本のフレンチの源流がしっかりと注ぎこまれている。


ひっそりとしたお店の雰囲気もいい。大井町駅からすぐなのに、時が止まったような佇まい。テーブルにはウェッジウッドの花柄クロス。クラシカルな海老フライがよく映える。
Loading...
Photo&Text: Kuuki Mizuhara